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「Aちゃん、起きれる、、、?」
とんとん、と優しく叩かれて目を覚ますと彼が心配そうに覗き込んでいる。
「ん、、、?」
「昨日からちゃんとしたもの食べてないから作ったんやけど、、、」
(作った?誰が、、、?)
誰が来てるんだろうかとぼんやりした頭を働かせてもわからない。
「センラが作ったの?」
「うん。調べて作ってみたんやけど、、、」
気まずそうに、おいしいかはわからんよと視線を泳がせている。
「薬飲む時間やし、ちゃんとご飯食べて欲しくて」
「、、、食べる」
「ここで食べる?リビング行く?」
「リビング行くよ」
わかった、と言うと当然のように抱き上げられてリビングのソファに降ろされるとテーブルには彼が作ったというおかゆが準備されていた。
「料理って大変なんやね。いつも作ってくれてありがとう」
「初めて作ったの?」
「うん、、、」
綺麗に作られたおかゆには卵も入っていて、初めて作ったようには思えない。
「おいしそう。作ってくれてありがとう」
「味はわからへんよ」
「きっとおいしいよ。いただきます」
スプーンで掬って食べてみるとちゃんとしたおかゆで感動する。
「どう、、、?」
「正直に言うとね」
うん、と不安そうな彼に申し訳ない気持ちになる。
「熱があって味がちょっとわからないんだけど、、、ごめんね。でもちゃんと作れててすごい」
「逆に良かったかも」
Aちゃんみたいにうまく味付け出来なかったと彼が笑う。
全部食べ終えて薬を飲むと彼が安心した顔をしたから、心配してくれてるんだなと胸がいっぱいになる。
熱を測ってみると38度まで下がっていて体温計を覗き込んだ彼も少しほっとしたようだった。
「ちゃんと下がってるね、よかった」
「センラの看病のおかげだね」
「まだちゃんと下がってないから、いっぱい寝ようね」
また抱えられて寝室へ運ばれると、さっきは気付かなかったけどサイドテーブルに置いてあるものに目が止まった。
「これどうしたの?」
「あー、坂田とうらたんとまーしぃのお見舞
い」
これが坂田で、こっちがうらたん、これがまーしぃと指を指した先には綺麗な花と四葉のクローバー、治ったら一緒に飲もうと殴り書きのような字と一緒に缶ビールが置かれていた。
「来てくれたの?」
「Aちゃんが寝てる時に来てん」
みんな心配してたと言われ、三人らしい気遣いのお見舞いに早く治して会いたいなぁと温かい気持ちになった。
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あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー!ありがとうございます!m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね!おめでとうございます〜!これからの展開も楽しみにしてます(*´艸`) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月9日 16時