64:センラside ページ22
モヤモヤとした黒いものが身体中を巡っている気がする。
お風呂に入ってくると告げるとAちゃんは驚いた顔をしていた。
そりゃそうだろう、今までそうした事なんて一回も無かったから。
みんなに優しいAちゃんが一番甘やかすのは自分だと思いたくて二人っきりで髪を乾かして欲しかったから。
何度経験しても風呂なんていうのはめんどくさい。
頭から水を被っていくらか冷静になれた気がして慣れた手付きでタオルで拭いて着替えてからドライヤーで髪を乾かす。
ドアの開いた方を見るとAちゃんがいた。
髪を乾かそうとしてくれたらしい、でも。
でも今は素直になれない。
俺じゃなくても甘やかすの？
優しくする？
他の奴がキスしても、その可愛い顔で照れて笑うの？
俺だから優しくしてくれたんだと思わせて欲しい。
どれも口にしたら困らせるような事ばかり頭を駆け巡っていく。
こんなこと、今まで思ったことないのに。
「大丈夫、乾かせるよ」
これ以上口を開くとAちゃんが悪いわけじゃないのに酷いことを言ってしまいそうな気がする。
泣きそうなAちゃんに今は何も言えない。
(ごめん、素直になられへんくてごめん、優しくできひんくてごめん)
リビングに戻ったAちゃんにほっとしながら、何て顔してるんやろ。と鏡にうつる自分の顔を眺めた。
三人が帰ってからももやもやは晴れないまま。
二人っきりなったら話さなければいけなくなってしまう。
酷いことを言う前に寝てしまおうとベッドに横になった。
寝たふりをしようと思っていたはずなのに本当に寝てしまってたらしい。
お腹にまわされた腕の感触で目が覚めた。
不安そうな顔をしていたAちゃんの顔を思い出すと胸の奥が締め付けられて辛い。
いつもと違う自分にどうしていいかわからなくなってるのがわかる。
それでも、こうやって甘えてくれるのか。
Aちゃんが寝たのを確認してそっとまわされた腕を解いて向き合う。
契約するなら、色々助けられる坂田やうらたんの方がいいに決まってる。
志麻くんだって、Aちゃんが甘えられる器を持っていてきっといい相談相手になるだろう。
じゃあ、俺は？
ずっと一緒にいてねと言った。
でも、あの時はみんなを知らなかったから。
今は？どう思ってる？
Aちゃんの目が薄く開いたような気がした。
お願いだから、俺以外を欲しがらないでという気持ちでAちゃんの頬に唇を落とした。
せっかくの休みも、素直になれないまま。
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あーりん(プロフ) - あみたさん» コメントありがとうございます！占ツクを始めたばかりで仕様もよく分かっておりませんので今のところ予定はありません; (2019年6月9日 11時) (
レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あみた(プロフ) - あの、R18をフラグを立てた別ページでお書きする予定は御座いませんでしょうか(><) (2019年6月9日 5時) (レス) id: d58bcb8372 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ばなにゃさん» コメントありがとうございます！今後もお付き合い頂けると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月7日 13時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ばなにゃ - すごくおもしろいです！これからも頑張ってくださいね♪ (2019年6月6日 13時) (レス) id: 58576af7fa (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 関西風しらすぅ@坂田家さん» 優しくてよく笑う、可愛いというイメージなのでそういって頂けて嬉しいですw (2019年6月6日 8時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年5月27日 0時
