16 ページ17
大きくなった身体に私の服は窮屈そうで可哀想になったからとりあえず1番大きいTシャツを引っ張り出して着替えを用意してご飯を作っているあいだにお風呂に入らせた。
(どうしよう...)
そもそも人ではない。
体温が低いのか暖かいと思ったことはないし(むしろ涼しくて丁度いいくらい)
数日でおっきくなるなんて普通じゃない。
でも。
(緊張するんだよなー、、、)
さっき意識してしまったせいか、まともに顔が見れなくなってしまった。
抱き締められた腕は男の人だったし、なんせ大学以来そういうことに縁が無かったからどうしていいかわからない。
菜箸を忙しなく動かしているとリビングのドアが開いて、バスタオルを頭にかけた彼が近付いてきた。
「昨日より上手に入れた？」
火を止めてきちんと彼に向き合うと、頭を拭いて欲しいのか少しかがんでいる。
「ソファ行こうか」
大きくなった身長では、立ったまま頭を拭いてあげるのは辛くなってしまった。
頷いた彼をソファの下に座らせて、自分はソファに座る。
「熱かったら言ってね」
ぎゅ、と目を閉じている彼の頭を優しくドライヤーで乾かす。
器用にお札を剥がさず頭を洗えるものだと感心する。
乾ききったか確認するためドライヤーを切って髪を梳くと、こちらに身体を向けて見上げられる。
「な、何、、、？」
腰に腕を回され、太ももに頭を乗せられて完全に挙動不審になる。
多分甘えてるんだと思う。
でもこういうことをし慣れていない私はどうしていいかわからない。
こてん、と頭を乗せたままの頭をゆっくり撫でると気持ちよさそうに瞼が閉じられた。
(可愛い...)
会社の上司たちのやっかいなセクハラで、男の人はあまり好きではなくなっていった。
そうじゃない人も沢山いるんだろうけど、恋愛する気にも特にならない。
デートに誘われても付き合いたいと思える人はいなかった。
カップルを見て羨ましいとは思うけど、1人の方が楽だったから合コンや飲み会に誘われても積極的に行くことはなかった。
彼も、人ではないにしろ男の人だと思う。
でも嫌悪感は全くない。
寂しかったと不貞腐れた顔を見た時は嬉しかったしなにより抱き締められた時はどきどきした。
今も、黙って気持ちよさそうに頭を撫でられている彼は可愛い。
親代わりだと思って連れて帰ったはずなのに、状況は変わってしまったような、、、。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 976人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おかゆ*(プロフ) - 番外編ありがとうございます！小センラさん大好きだったので悶えました……無理しない程度に頑張ってください (2019年10月9日 12時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - 言葉喋るショタより何も喋らずに言葉理解してなかったり仕草で感情表現するショタの方が天使よな。まぁつまり神ってことよ。何のご褒美ですか。平日の夜中4時ににやけながらこれ読むってただの変態なんですけど。 (2019年6月6日 4時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - あのんさん» ありがとうございます！コメント頂けると励みになります(;o;)これからも楽しんで頂けると嬉しいです！ (2019年5月26日 20時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - とても好きです！！読む度癒やされてます！ (2019年5月26日 20時) (レス) id: 2726eacb2c (このIDを非表示/違反報告)
月希(プロフ) - あーりんさん» 全然！！気長に待ってます！！ (2019年5月22日 0時) (レス) id: 106e1f2421 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーりん | 作成日時：2019年5月17日 21時
