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いつもより遅い時間に寝たのにアラームで目覚めると休日の朝のように身体がすっきりしていた。

隣を見ると静かに寝息をたててまだ眠っている彼がいた。

(昨日の歌、綺麗だったな)

寝る前に紡がれた彼のメロディーは忘れてしまったけど、綺麗でちゃんと聴きたかった。

静かにベッドから抜けて昨日のメロディーを思い出しながら出勤の準備を始める。


朝食を食べて化粧をして、髪を整えたところでリビングのドアが開いた。

「おはよう」

明らかに不機嫌そうな顔の彼に声をかける。

「どうしたの?」

ずん、ずん、と大股で近付いてきたと思えばソファに座り引き寄せられる。

「ぅわっ、、、」

思いの外力強く引き寄せられて体制を崩して彼の上に倒れ込んでしまった。

「、、、、」

無言でぎゅーーーーっと抱き締められるだけで言葉は無い。

(そろそろ、時間がやばい...)

テレビから聞こえてきた、天気予報を読み上げるアナウンサーの声。
いつもこれを見たら時計をつけて出勤なのに。

「あの、ごめんね。仕事だから離して?」

ぐい、と力を入れて上半身だけを引き剥がすとさっきより不機嫌そうな顔。

「なるべく早く帰ってくるから」

多分、無理だろうけど早く帰りたい気持ちに嘘はない。
伺うように覗き込むと首を振られてしまった。

「いやだって言われてもなぁ...」

どうしよう、本当に遅刻してしまう。

彼の顔を眺めながら何て言おう、どうやって抜け出そうと考えていると彼が口を開いた。

「いや」

小さく拗ねたように言われると可愛くてもう休んでしまおうかという考えが一瞬頭をよぎった。

「いや、」

いつの間に覚えたのか、いやだいやだと駄々をこねる。

こればっかりは、どうにも出来ない。
いくら可愛くても会社は休めない。

「会社行かないと、ご飯たべれなくなっちゃうよ」

ね?と宥めるように背中を撫でる。

「、、、」

うん、と頷いたのでわかってくれたか、と身体を離してソファから立ち上がると手首を掴まれた。

「いや、、、さみしい」

納得はしたものの未だ拗ねている彼から小さく出た言葉。

まさかそんな言葉が飛び出すとは思ってもなかった。
最高に可愛い。


(あーーーーーー、休みたい!!!!!!)

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設定タグ:浦島坂田船 , センラ , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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おかゆ*(プロフ) - 番外編ありがとうございます!小センラさん大好きだったので悶えました……無理しない程度に頑張ってください (2019年10月9日 12時) (レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - 言葉喋るショタより何も喋らずに言葉理解してなかったり仕草で感情表現するショタの方が天使よな。まぁつまり神ってことよ。何のご褒美ですか。平日の夜中4時ににやけながらこれ読むってただの変態なんですけど。 (2019年6月6日 4時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - あのんさん» ありがとうございます!コメント頂けると励みになります(;o;)これからも楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - とても好きです!!読む度癒やされてます! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 2726eacb2c (このIDを非表示/違反報告)
月希(プロフ) - あーりんさん» 全然!!気長に待ってます!! (2019年5月22日 0時) (レス) id: 106e1f2421 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年5月17日 21時

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