EP:? 従者、小学三年生になる 2021 ページ17
「あっ、あの…!」
──その日クジゴジ堂を訪れたのは、最愛のひとによく似た、小学生の男の子だった。
今日は幸いな事に体調が良く、クジゴジ堂に顔を出す事ができた。
あたたかな陽だまりで、ゆるりと椅子に腰掛け、うとうととまどろんでいた頃。
一人の少年が、おずおずとドアベルを鳴らしたのである。
「いらっしゃい。ここに何か御用かな?」
「え…えっと、これ、直して貰いに、来ました」
ドアベルの音にいち早く気づいたウォズが、にこやかな笑みで少年を迎え入れた。
それじゃあお茶でも入れてこようかと立ち上がろうとしたけれど、それは止められた。
と言うか立てなかった。
「お姉さん、どこか具合悪いの?」
首を傾げる少年に、大丈夫と笑顔を向け、
「お腹に赤ちゃんが居るの」
と答えた。
「赤ちゃん、いつ産まれる?」
「お医者さんは、今年の秋くらいかなって言ってた。ふたごちゃんだよ」
少年が少しだけ待ち遠しそうな表情をしているのが、何とも愛らしい。
「時計、治ったよ。少年」
どうぞ、と新品同然になった時計を手渡すウォズにも、ほんの少しお父さんの顔が見え隠れするようになった。
「ありがとう、ございます。…あのっ!」
少年は帰り際に、こんな事を問いかけてきた。
「…また来ても、いいですか?」
あんなに不安気な表情で問われて、断れる人が居るだろうか、いや、居ないだろう。
私達は一瞬目を見合わせ、くすっと微笑んで、
「いつでもおいで」
そう答え、彼を見送った。
おせーよきんべ、早く行こーぜ、と急かす声が、外から聞こえてきた。
この空間の穏やかさに負け、また微睡みに沈もうとする意識の片隅で、誰かの体温が私に寄り添ってくれた気がした。
─ー─ー─ー─ー─
ウォズより。
「作者の都合で表題に改変があったらしい。
全く…何を考えているのやら」
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礼−あや− - 誠に申し訳ありません、現在のアカウントにログインできなくなりました…それに伴い、このお話の更新ができなくなります。このような形で物語を終わらせてしまう事、どうかお許し下さい。 (2021年3月20日 15時) (レス) id: c6a418bc5c (このIDを非表示/違反報告)
如月 コヨミ(プロフ) - タイトルはEP?高校生の従者 2021でお願いいたします! (2021年3月14日 9時) (レス) id: 2e41d429be (このIDを非表示/違反報告)
如月 コヨミ(プロフ) - リクエストします!ブレイブの不破くん書いてほしいです! (2021年3月14日 9時) (レス) id: 2e41d429be (このIDを非表示/違反報告)
如月 コヨミ(プロフ) - リクエストします!きんべくんを出してください!タイトルはEP:?小3のウォズ 2021でお願いいたします! (2021年1月22日 17時) (レス) id: 2e41d429be (このIDを非表示/違反報告)
如月 コヨミ(プロフ) - そろそろ妊活系のお話も読みたいです。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: ea5df0a65e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:礼ーあやー | 作者ホームページ:http://fWi391Zg.com
作成日時:2020年3月23日 23時