希望の光〜病系短編集〜 part10

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【ジェシー】





待ち合わせ時刻を十分過ぎても大我は全然来なくて。






大我が遅れることなんてめったにないし、連絡も取れない。






すると、大我から連絡が入ってることに気づいた。






大我ごめん、お






ん？なにこれ。






でも、それ以上は何も入っていなくて。






もう一度電話しても出ないし、大我の家の近くに行ってみようかなと思って歩き出すと途中の横断歩道に人だかりができていた。






人の間をすり抜けて、ようやく現場を見れる距離になるとその場の光景に声が出ないほどひどいもので。






目の前には血の海が広がっていて近くには警察に簡単な処置をされている、人が倒れていた。







ジェシー「っ、！」






ジェシー「た、いが．．．.。」






周りに落ちていたのは大我がいつも使っているカバン、恰好、髪色、すべてが大我のものだった。







俺は一目散に人込みから抜けて、大我のもとに駆け寄って。






大我じゃないと信じたくなかったけど、やっぱり倒れて意識をなくしているのは大我で。






警察「おい！そこなに勝手に入り込んでるんだ！」






ジェシー「すみません！あの、大我と知り合いなんです！大事な人だから！」






警察「大我って．．．.この被害者の方ですか？」







ジェシー「そうです、」







すると、警察の方が周りに青のビニールシートで大我の周りを囲ってその中に俺も入れてくれた。







警察「この方、SixTONESの京本大我さんですよね？」






ジェシー「はい、」






俺はもう目の前の状況にパニックで涙がボロボロと溢れてくる。







警察「京本さん、我々が追いかけていた暴走車に、」







俺は何も答えられなかった。怖くて怖くて仕方がない。







警察「今、救急車を呼んでいます。」







ジェシー「はい、」







俺は頭が真っ白になって、自分が芸能人だということも気にすることもできないまま救急車に同乗した。

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