希望の光〜病系短編集〜 part10

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【京本】




休憩が終わって、振付師さんが『じゃあ、再開しましょう。』と言ったから俺らは椅子から立ち上がる。






正直、北斗とジェシーのやり取りを見ていた俺も不安でしかない。






振付師「では、全て通して踊ってみましょうか。」







デビューした影響なのか、Jr.の時よりも有名な振付師さんに来ていただいててしかもすごい優しい。






本当にそれはありがたすぎる。






そして、その優しい振付師さんが音楽を流して曲が始まった。






すると、隣でドサっと何かが倒れるような音が聞こえてきて。






恐る恐る見てみるとジェシーが床に倒れていた。






京本「ジェシー！」






俺はすぐに踊るのをやめて、ジェシーの元へ駆け寄って。






しばらくして音楽も止まった。






北斗「大丈夫？．．．.ちょっと息荒いね。マスク取るよ。」






北斗がマスクを取ると、ジェシーは顔面蒼白で目をギュッと閉じていた。







樹「ジェシー、何処がつらいー？」







皆も焦りながらも必死に声を掛けるけど、ジェシーは答えられそうにもない。







北斗「貧血かな．．．.。え、でも動悸もするの？」






慎太郎「きゅ、救急車呼ぶ？」






そう慎太郎が言うと、ジェシーは携帯を取り出した慎太郎の手首を掴んだ。






ジェシー「ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯ、だいじょうぶ、ﾊｧｯだから、」






京本「ジェシー、目眩もするの？」






ジェシー「もうちょっとで治まるから、」







高地「やっぱり貧血でしょ。」







北斗「でも、胸に手当ててるから動悸もすると思うんだけど．．．.ジェシー、これ本当にただの貧血？」







北斗が聞いても答えないジェシー。







そんなジェシーに俺は水道のお湯で温めたタオルを渡して、目元に抑えてあげて。







どこかで聞いたことがあるんだ。こうやったら目眩が和らぐってさ。







ジェシー「も、大丈夫。」






しばらくしてジェシーはゆっくりと目元からタオルを離した。






顔色も良いとは言えないが、少しは良くなっている。







取り敢えず、俺らは安心した。

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