FABRICATION 【Ryosuke.Y】 (ページ7)

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中島くんは、私と目が合うと
やっほー！と笑って手を振ってくれる。

突き放してしまったのに。

私がうまく笑えずに手を振り返すと、
山田くんが他の女の子と話してる姿が目に入った。

・・・笑顔で。

私と話すときは怒ってるか泣きそうか
どっちかのくせに。

他の人にはびっくりするくらい優しいの。

今は学年集会ってやつで。

先生が喋ってるのにも関わらずみんなこそこそ話してて、その度に先生が怒るから全然帰れない。

あ。

雨だ。

ぼんやり外を見てると、
ぽつり、ぽつりと。

ふと山田くんが外を見て、
あ、やべ
って呟いたのが分かった。

傘忘れたのかな。

・・・関係ないけどね。

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やっと先生の話が終わって、
真っ赤な傘をさす。

「A～一緒に帰ろ！」

「うん、いいよー」

「その傘かわいいね～」

「でしょ？」

真っ赤な傘に、小さな白いウサギが
遠慮がちに一匹。

お気に入りの傘。

「それどこで買ったの？」

「どこだっけ、忘れちゃった」

あはは、って笑うと
友達がえー、と唇を尖らせた。

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友達と別れて、
1人になると、ちょっと前に山田くんの後ろ姿を見つけた。

傘もさしてないくせに、
空を見上げて、ただ立っていた。

真っ白な肌を雨が濡らして、
つーっ、と首筋を流れる。

長い睫毛から雨の雫が落ちて、
まるで、泣いてるみたいに。

このままだと、山田くんに見つかる。

そう思った時にはもう遅くて。
視線を感じたのか、
山田くんの瞳に私がうつった。