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手で目元を隠されて、
唇が重なった。

押し付けられた唇は暖かくて、優しかった。

隠されているせいで顔が見えない。

でも僅かに触れた肌が濡れていて、
ああ、泣いてるのかな って

なんで山田くんが泣いてるの?

そんなに辛いなら、なんで私から離れないんだろう。

分からないことだらけの私は
こうなったらどうしていいか分からない。




こんな時、抱きしめてあげたら何か変わるの?

ゆっくりと腕を持ち上げようとしたその時、




「ばかA」





小さい声でそう呟いて、
離れた唇。





「もう勝手にしろ」

「..え?」





吐き捨てるようにそれだけ言うと
私を置いて教室から出て行ってしまった。

目を覆われていたせいでどんな顔で出て行ったのかも分からないまま、その場にしゃがみこむ。

勝手にしろって。

ここまで勝手に振り回してきて
勝手にしろって。






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誰もいない教室で、
膝を抱えて座る。






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「... 何考えてるのか、ちょっとくらい教えてくれたらいいじゃない」





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話くらい、聞いてあげられるのに。





'' 言ったらお前、泣くよ''





少し前に言われた言葉を思い出した。
もう充分泣かされた。
もういいよ。
本当の山田くんを教えてよ。

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作者名:... | 作成日時:2017年12月30日 22時

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