先輩、好きです。2【Ryosuke.Y】 (ページ31)

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首を横に振って唇を噛み締める。

涙を堪えてうつむくと、

先輩の温かい手が私の頭に触れた。

いつもみたいに、

ぽんぽんっと撫でられる。

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顔を上げると、

先輩が凄く困った顔をしていて。

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「....先輩、出番もうすぐだから、先行ってて下さい」

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「お前は行かないの？」

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「あとで行きます」

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先輩の手がゆっくりと離れた。

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「わかった。呼びに来てくれてさんきゅー」

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先輩が階段を降りていって、一人になる。

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先輩、困らせちゃった。

ごしごしと涙を拭いて、

ため息をつく。

だって。

あんな光景みたらさ

ちょっと傷つくよ。

先輩とのデートの日の記憶が蘇って。

先輩が繋いでくれた手の温度が蘇って。

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先輩と触れた唇の感触な蘇って。

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先輩、ちょっとは私のこと

好きとか、可愛いなとか

思ってくれたことあるのかなぁ。

それとも、

さっきの女の人も私も、

先輩からしたらそんなに変わらないんだろうか。