★狙われた絆【悲系バージョン】 (ページ6)

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――…

大歓声は既にさっきから空気を揺らし…

国立競技場から空に向かって溢れている

…事件後… 首を横に振る関係者に

遠藤とメンバーでひたすらに頭を下げた

やっとのことで漕ぎ着けた今日

いつもとは違う控え室で

遠藤が… また泣いていた

櫻「…遠藤さんもう時間ですよ？それじゃ出づらいよ(笑)」

遠「…悪い…っ…すみま…せん… 」

松「…… 行こっか……」

松本が、鏡の前にうつむいて座る相葉の肩に手を乗せる

相葉は鏡の自分を見つめて

相「ホントにさ……四人になっちゃったんだね」

そう言って…タオルを顔に押しあてた

鏡越しに見ていた松本は、また震え出した唇を隠すように部屋の角に向かう

二宮は…ずっとソファーに腰掛けて

いつもの通り、ゲームの音を鳴らしていた

遠「……大野くんは……本当に…君たちを… ファンのコたちを… なにより大事に思ってた… だから…今日… いちばんよろこ…でくれて…っ……」

…

しばらく…また静かになった部屋の中に

歓声が雨音のように響いて聴こえた

赤い目を何度も瞑り、櫻井が咳払いをする

櫻「… よし、行こう！…」

櫻井の声で…かろうじて動き始める相葉と松本

ニ「あ… あ～やられちゃった……」

松「ほら、行くぞニノ…」

ニ「どこ行くわけ？」

松「… どこって…」

ニ「そんな顔でどこ行くんだよ… これが… これで見せたかったもんやれんの？」

櫻井は鏡を覗く

泣き腫らし…もう今にもまた泣き出しそうな顔で…

櫻「… 智くんが一番… 楽しみにしてた…」

いつかの大野の言葉が蘇る

櫻「見せたいって……オレらが見せてもらってるものを…見せてあげたいんだって言ってたよ…」

相「…リーダーが？…」

遠「…僕にはね…っ… 今でも君たちは…五人に見える……お客さんだって…君たちの中に、もう一人を見たいんだ……っ… みんなが前に進むかぎり、いるんだよ…五人で…」

みんな…お互いを見つめあい…

テーブルの上に綺麗に畳まれた、もう一人のための衣装に目を落とした

松「行こう…リーダーが上で待ってるよ」

相「…おせぇとか言って…怒ってたりね？」

ニ「…しょおさん？…」

三人の視線を受けて櫻井が顔を叩く

櫻「…っしゃあ！行くぞ！」

．