コイの華─桜舞い散る頃─ (ページ3)

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一つ目のコイの華が散るときページ3

「結音～～!聞いてよー!一朗太ってばね、」

『はいはい…で､一体何があったの?』

今は目の前にいる友達…

霧野咲愛蘭の相談…を聞いている。

…と言っても、ほとんどが咲愛蘭の愚痴だが。

咲愛蘭「それでね、一朗太が､」

『…相変わらず、貴方たちは仲が良さそうね。』

咲愛蘭「んなわけないよ!?だってこの前だって…」

霧野咲愛蘭…彼女は、風丸一朗太と付き合っている。

彼女は、一朗太とケンカしたときは何時も私に相談という名の、愚痴を言いに来る。

咲愛蘭が一朗太と付き合ったことを私が知ったのは、つい最近…と言っても、一ヶ月くらい前だろうか。

ちょっと…いや、結構心の中がチクッとした。

なんでだろう…何かの病気かな…

そう思いながら咲愛蘭の愚痴を聞く

咲愛蘭「それでね?」

『…仲直りしたら?』

咲愛蘭「えー…?でも今回はあっちが悪いし…」

『……だったらずっとこのままの関係にするの?』

咲愛蘭「それは…嫌だけど…」

『なら、謝ったら?そうじゃないと、他の子にとられちゃうかもよ?…例えば私とかにね。』

咲愛蘭「…え…?」

え?私は一体何を言っているの?

私は一朗太のことは恋愛対象として好きじゃないはず…なのに、どうして?

『…あ、…な、なーんてね!と、とにかく、謝ってきた方が良いよ!うん!』

咲愛蘭「え?!あ、ちょっと…?!」

私は強制的に咲愛蘭を教室から出す。

そして教室の扉から離れて、窓の外を身る

……なんでだろう…私は一朗太のことは好きじゃない…そうでしょ?

…─違う…そうじゃない…─

何が…何が違うのよ…?!

─私は…貴女は一朗太のことが好き…そうじゃなかったら、その涙はなんなの?─…

『あ、……え?』

気がつくと私は泣いていた。

…なんで…?

「なんで自分が泣いているのか分からない…そんな顔をしてるねぇ…｡じゃあなんで泣いているのか、私が教えてあげよう!」

突然、後ろから声がする。

私は驚いて後ろを振り返る。

そこにいたのは、花宮愛風音

私の友達だ。

愛風音「その涙の理由はね?″失恋したから″だよ」

失恋…?

なんでよ…｡

私は一回も、人を恋愛対象として見たことがない…なのに…

愛風音「…はぁ…これでもまだ気づかないの?貴女は風丸君のことが好き。だけどそのことには気づいてなかった…」

…私は一朗太のことが…好き?

…………そうなのかもしれないね…

だって告白の瞬間を見たときも、心がモヤッとした。

それに、一朗太といると、ドキドキした…

…これが…恋…なのね。