認識 ページ2
第一話 認識 斉藤side
「斉藤さん!オーディション受かりましたよ!」
「え!?まじで!?」
収録を終えてマネージャーの高橋さんから興奮気味に伝えられた。小説から大ファンであった本のアニメ化が決定した時絶対に役をやりたいと思っていた。
まさか、本当に受かってしまうとは。
「これがキャスト!」
次の仕事の移動時間にキャスト表を読む。
この小説は一言で言うなら「
社会を皮肉交じりに風刺しつつ、それでいて全ての人類を肯定するような、そんな中恋した2人の話。
読んだあと数日寝込む作品である。
初めて読んだ時頭になんとも言えない感情がこびりついている。それを振り払うために頭を振って無機質な字で書かれた紙を見つめる。
江口さん、梅ちゃん…見慣れた同業者たちの名前に安心感を抱いて次の名前へと目を移す。
鳴瀬華澄役 月宮 A
一瞬、思考が停止された。月宮さんといえばディズニーやハリーポッターなど数々の名作を彩るいわば大御所。
まあ、大御所という年ではないのは事実だけれども。
彼女を使うアニメは必ず売れる、なんて言われている。
自分のこと認識されてなかったら、なんて頭に浮かび上がる。決して天狗になっている訳ではないけれど人気ではあると自覚はしている。彼女の人気には到底追いつかないが。
「月宮さん…か、」
車窓に頭を打ち付ける。ひんやりとした感覚が気持ちいい。
月宮Aという一人の女性に、俺は早すぎる緊張を覚えた。
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作者名:おもちびざ | 作成日時:2024年1月22日 21時