30 ページ30
「…ちゃん。阿部ちゃん。着いたよ！」
目を瞑っているうちに、本当に寝てしまったらしい。
佐久間に起こされると、そこは既に旅館の駐車場だった。
「ごめん、俺…ずっと寝ちゃって。」
「良いんだよ。ゆっくりしに来てるんだから！」
「ほら、行こう！」
そう言うと、佐久間は俺の分の荷物も持って、旅館へと歩き出す。
俺は、慌ててその背中を追いかけた。
(佐久間の誕生日のお祝いも兼ねてるんだ。心配させてどうする。今は楽しむ事に集中しよう。)
そう自分に言い聞かせる。
ロビーで受付を済ませると、部屋に案内された。
「わっ…凄い！」
部屋に入ると、そこは和モダンな装飾の施された、10畳くらいある広さ二間の畳の部屋だった。
まるで額縁のように縁取られた窓からは、陽の光を受けた青々とした木々が揺れ、下を流れる川のせせらぎが聞こえてくる。
佐久間は荷物を置くと、
「少し一休みしたら着替えて温泉行こ！」
と言って、備え付けの棚から浴衣を取り出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 381人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきの(プロフ) - わらびもちさん» もともと読み手の自分としては、完結せず更新停止になるパターンだけは避けたいので、シリーズとして完結させる所まで頑張りたいと思います。コメントありがとうございました！ (2021年6月18日 1時) (
レス) id: 67b31f69cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - わらびもちさん» 初めまして！あ、ありがとうございますっ(泣 何かもう書いてて、「あれ？これ面白いのか？」と迷走してるこの頃なので、楽しんで頂けてると言うだけでめちゃくちゃ励みになります。大好きな展開とまで言って頂けて、失いかけた自信が少し戻ってきました(笑 (2021年6月18日 1時) (レス) id: 67b31f69cf (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - 気持ちで読みました…2人には幸せでピースフルでいて欲しい…けどこの拗らせもとてもいい…！って気持ちで狼狽えてます！更新も楽しみにしています！応援しています！いきなりでしたがコメント失礼しました！ (2021年6月17日 18時) (レス) id: e7e122115d (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - ゆきの様初めまして、わらびもちと申します！ずっと作品を読んでたのですが思わずもうこれはコメントするしかないと思いコメントさせて頂きました…！なんかもう私の大好きな展開すぎます…！！この後skabどうなるの…拗らせてしまうな…？とか早く仲直りして〜って (2021年6月17日 18時) (レス) id: e7e122115d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - なぎしゅうさん» 大好きだなんて…//// ありがとうございます。嬉しすぎます。絶句した件については、その後に続くシーンがあったのですが、テンポがイマイチだったので、カットしました。後で再利用出来たらと思っているので、ご期待下さい(笑 (2021年6月7日 19時) (レス) id: 67b31f69cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきの | 作成日時：2021年6月4日 16時
