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旗印戦が終わって9(珠奈) ページ9

旗印戦に勝利、見事全員1ポイントを獲得し、講堂から出ると、既に太陽は一番高い所まで登っていた。そろそろ昼食が食べたくなる時間だ。なんだか喉も乾いてきた。

(あれ?なんか忘れてるような……)


「あ、やば。」

だいぶ大きな声が出た。少し前を歩いていた清浄さんが立ち止まる。

「ど、どうかしましたか?」

「ごめん、和室の解放忘れてた。気にしないで、先行ってて。」

外からしか開けられないようにしたため[旗印の季節28参照]、今も和室には佐藤真奈美の手下が閉じ込められているはずだ。敵対していたとはいえ、旗印戦が終わったのならば解放してやるのが筋だ。気温はそこまで高くはないはずだが、かなりの時間が経っているので、脱水症になっていないかも気になる。

教室に戻る栄進クラス一行から少し距離を取り、そのまま和室へと向かう。

「おーい、何年何組のだれだか知らんけど、生きてます?」

返事は無し。まだ誰も起きていないらしい。いつ目を覚ますかもわからないので、取り敢えず近くの自販機で購入したペットボトルの飲料品を残して教室に戻ることにしよう。

壁際に数本のペットボトルを置いたところで、一人の気絶している生徒のポケットから、白い物体が入ったジップロックが飛び出していた。ぎんには解読する能力はないが、ラベルには英字が印刷されている。外国のものかもしれない。

「あれ、これどっかでみたことあるような、ないような、あるような、ないような……」

どこで見たのだろうか。地元か、それともネットやテレビだったか。でも、なんとなく安易に触っては行けないもののような気がして、端末を取り出し写真を撮るに留めておく。こういう得体のしれないものには手を触れないのが吉。誰かに見せれば答えがわかるだろうか。後で物知りそうな櫛橋さんか安藤さん、情報戦に強いと感じた大祝さんあたりに聞いてみよう。



唐突な旗印戦によって散々な一日目となったが、クラスメートと協力することで、想定していたよりも遥かに人と話す回数が多かった。きっと空木高校でなければできなかったこと。最初は旗印戦にも少し驚いたが、今日一日なんとかなったのだから、これから何が起きてもきっと大丈夫だろう。そう思えた。

旗印戦が終わって10(象)→←旗印戦が終わって8(アイスノン)



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あーゆ - リョウさん» ごめんなさい… 。荒らし防止の為に変えました。もし再度編集するのでしたらご連絡ください。 (2022年12月11日 12時) (レス) id: 0982d46986 (このIDを非表示/違反報告)
リョウ - すみません、パスワードって変わりましたか?今までのパスを入力しても、間違っているということになって編集できないのですが……。 (2022年12月11日 9時) (レス) @page45 id: c77ecc330e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊ふゆう - 更新失礼しました! (2022年12月10日 22時) (レス) id: a30ccd45c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピピのピ - 更新失礼しました! (2022年12月10日 19時) (レス) id: dd7f2196ba (このIDを非表示/違反報告)
リョウ - 更新失礼致しました! (2022年12月10日 17時) (レス) @page46 id: 2a987646b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーゆ(主催者) x他5人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年11月18日 21時

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