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いざ尋常に勝負！7（小鳥遊ふゆう） ページ48

ゆうなside

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謙信「ああ言っていたけれど、伊勢さんはどうする？」
「…勿論、無闇に喧嘩をしなくてもよいので…自分の得意なことや、簡単な勝負をすること一択です」

謙信「同感だよ …伊勢さん」
「？」
謙信「お互いの得意なものは琵琶と琴だから…

僕と音楽で勝負してもらえないか？」


今は謙信が琵琶の演奏をしていた
音色も、演奏している姿も全てが

「…凄いです…」
つい見入ってしまう程素晴らしいもので、特に謙信が好きなゆうなは完璧に見惚れていた

謙信の演奏が終わると音楽ホールに集まっていた生徒達が大きな拍手を送り盛り上がる

「次私じゃないですか…！？」
ようやく余韻に浸っていたゆうなは我に返ると今更ながらに緊張してきた
琴は得意だ 腕前は大会で日本一になった程
けれどこんな盛り上がりの次に演奏するとなるとどうしても身体が震えてくる

これ確か映像でここにいない方々もご覧になっているんですよね…！？どうしましょうプレッシャーが…

すると、震えていた手を誰かが優しく握った

謙信「伊勢さん」
演奏を終えた謙信が目の前にいた

謙信「大丈夫。最初は緊張するけれど、演奏しているうちに楽しくなってくるから」
「頑張れ 姉さんも応援してくれているはずだ」

「…はい 有難うございます…！」

『続きまして、伊勢ゆうなさんの演奏に入ります。伊勢ゆうなさん、ステージにどうぞ』

一意専心勇往邁進…

心の中で唱えながら髪を団子結びにして、琴をしっかり持った

「伊勢ゆうな、…これより参ります」


しんと静まり返る

音を静かに、しなやかに、美しく、

一切無駄な動作を省き、只々周りに音を届けた

ここは強くしよう、ここは緩やかに優しく弾こう ここはこんな感じに弾いたら良く伝わる

謙信の言う通り、弾き始めたらどんどん楽しくなってきて ゆうなの顔には自然と笑みが浮かんでいた

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