【合作企画】我ら空木高校栄進クラス！！【募集中】

入学式８　（あーゆ） ページ9

〈月夜side〉


「… やっと着いた。。」


学校に着いたまでは良かったものの、不良に絡まれ一悶着してしまった。

朝一番から銃撃戦なんて、もう懲り懲り。

靴箱で上履きに履き替えた、その時。


「おはよ〜。大祝鶴姫です。」


突然、背後から可愛らしい声が。

振り向いてみると、ボブをハーフアップにした女の子がポケットをゴソゴソと漁っている。


「ねぇ、飴いる？」

「え？」


見ると、手のひらにはソーダ味の個包装の飴玉が、ちょこんとのっていた。


「わ、ありがとうございます。いただきますね。」


私は個包装の袋をピリリと破き、口の中に飴玉を放り込んだ。


「美味しい… ありがとうございます。」


そう言ったところで、自分の自己紹介をしていない事に気がついた。

歩き出した大祝さんの横に並んで、栄進クラスの教室まで雑談しながら歩く。


「はじめまして。武石月夜と申します。よろしくです。」


横の大祝さんをうかがうと、にっこりと明るく笑っていた。

なんだろう、この驚異のコミュ力と感じの良さ。

きっと、コネも多いんだろうな。

こんな感じの人に憧れていた時もあったっけ… 。


「知ってる。知り合いから聞いたことがあるんだ。」


知ってたのかいな。

凄いな、大祝さん。


「てか、さっきも銃ぶっ放してたよね。見てたよ。」


見られちゃったか。


「あははは… 物騒な女なんです… 」


ちょっと恥ずかしいような、見ててくれて嬉しいような。

そんな感じで、2人で教室に一歩踏み出した。

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