【合作企画】我ら空木高校栄進クラス！！【募集中】

入学式6（雪） ページ7

まつside

朝日が眩しいと、目を少し細める。

黒い髪が光を吸収して暑いくらいの日、私は高校の入学式に赴いていた。起動させた地図アプリと目の前の建物を見比べて、ここが空木高校であることを確認する。

この高校には門が西門、東門とあるらしく、私がたどり着いたのが西門だったと知るのはもう少しあとのこと。

校門をくぐると、そこには、ギャル、不良、ets…。どう見ても入学式の高校の光景ではない、と心のなかで唖然とする。

そぉっと、そおっと、と心のなかで念じつつ、ギャルの方々の視界に映らないように存在感を消して校舎へ移動する。

しかし、現実はそう甘くなく。

「おい、あんた、栄進クラスの人だよなあ?」

「なぁに?普通に教室、行けると思った?」

と、ギャルに絡まれてしまった。

「通してくれると…嬉しいです。」

「はぁ?!何、なめてんの?!」

笑顔で交渉を持ちかけては見るけど、当然相手は聞く耳持たず。

仕方がないから、目の前のギャルの前におもむろに手を出して…



盛大に猫騙しをお見舞いしてやった。



相手の気が緩んだすきに、鞄を両手で抱えて校舎に逃げ込み、階段を駆け上がる。幸いにもそこまでは追ってこなかったので踊り場で立ち止まり、大きく深呼吸をする。

「高校生活…不安しかない…。」

高校3年間、波乱の幕開けだった。

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