【合作企画】我ら空木高校栄進クラス！！【募集中】

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一足遅れて講堂の扉を開ければ、既に闘う生徒たちの中から見覚えのある顔を見つけた。


「…… 大祝さんっ」


複数人相手に闘う大祝の死角から、不運にも1人の敵が金属バットを振り翳していた。


「… っっ…… 」


彼女に触れる寸前のところでバットは飛ばしたクナイによって弾かれ、振り向いた大祝がフルボッコにする。



「望月さん、だっけ。ありがとう。」



そう言ってニコッと明るく笑った彼女に、思わず涼千代は今は連絡すらつかない恩師の面影を重ねた。


「…… それはどうも。」


一見ドライに聞こえる言葉の裏に嬉しさを潜めたような声。
その意図が伝わったかのように、細められた瞳と目が合う。

涼千代はこの時15年の人生で初めて、他人と共に闘う、いわば共闘というものを体感した。


最終的には首謀者、佐藤真奈美を栄進全員でタコ殴りにし、無事に栄進全員にポイントが加算されることとなった。


喜びの表情を見せる大祝の隣で、涼千代は無表情のまま思い馳せていた。


(…… 一度アメを断った身。だが今なら… )



「…… 大祝、さん。……… アメ、貰ってあげる。」



少々上から目線な言葉だが、今の涼千代にとっては最大限の感謝の意だった。


大祝は驚いたように目を丸くさせたがすぐにいつもの柔らかな笑顔にもどって、



「それは喜んで！」



と、涼千代に彼女のお気に入りの蜜柑味をポケットから取り出した。

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