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旗印の季節17(アイスノン) ページ34

涼千代side




閑静な畳の上。
キリキリと音が鳴りそうな緊張の中、2人の淡々とした声が鼓膜を揺らした。





「 ──────── がいちばん効果的ね。」





栄進クラスを覗ける位置にある窓枠に座り、筆を滑らせて書き留める簡潔にまとめた策は、安藤たちによって考えられたものだ。


立花が手を休めれば確実に潰されてしまう、この状況下の行方はまだ分からない。

急いで筆を滑らせていれば、階段から少数の敵が現れた。


教室には芳春と清浄しか姿がないため、早く策を届けなくては。
書き溜めた紙を蛇腹に折りたたみ、クナイの輪の部分に結びつけた。


矢文ならぬ苦無文。
それを、窓から教室の方へ投げ飛ばした。


直接言いに行ったり渡しに行くよりもリスクが軽減すると判断してからの行動だ。


ドスッとクナイが壁に刺さる鈍い音が耳を掠める。





“ ・各々が別々の場所で塊にならずして戦うべし
 ・佐藤真奈美の居場所を特定すべし
 ・強き者と弱き者は一組になるべし ”





これがあの2人の下へ届き、栄進クラス全体に伝われば良いのだが。


下を見下ろせば敵がチラホラと動く運動場が目に入った。



(……… 行くか… )



敵を全滅させることもできるが、それでは根本的な解決にはならない。

その上、頭の片隅に引っ掛かることがある。




(何故、佐藤真奈美たちは一つしか旗印を提出しなかったのか……… )




考えれば考え込む程に、国語の難しさが身に染みて分かる。



(……… どうでもいい…… )



解の無い問題は考えるだけ無駄だ。



半ば邪念を振り払うように涼千代は窓に身を乗り出し、雨水排水パイプをつたって外へと赴いた。

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珠奈(プロフ) - 更新いたしました。 (2022年11月17日 16時) (レス) id: 570e8cf367 (このIDを非表示/違反報告)
リョウ - 更新致しました。 (2022年11月17日 11時) (レス) id: 5a84eaf6bf (このIDを非表示/違反報告)
ピピピのピ - 更新させていただきました!! (2022年11月17日 7時) (レス) id: dd7f2196ba (このIDを非表示/違反報告)
夜宵ノ良(プロフ) - 更新させていただきました! (2022年11月15日 19時) (レス) id: 271a44bab7 (このIDを非表示/違反報告)
TENN - 更新させて頂きました (2022年11月14日 17時) (レス) @page40 id: 56fa1dd384 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーゆ(主催者) | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年11月3日 17時

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