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旗印の季節6（リョウ） ページ21

霧姫side



席につくと、何人かが絡んでいるのが目に入った。

一瞬だけ視線を移したものの、特に気にすることなく本を開いて読み進める。

あくまでも私は私、他人は他人ですもの。


「皆さん、旗印が提出されました」


突如、声が教室中に響き渡る。


「提出したのは、１年D組・佐藤真奈美さん」


誰です、この方？
門の前で死屍累々と積み重なっていた内の誰かさん...だとしたら、かなり恥ずかしいですね。


『今から２時間以内に栄進クラスの誰かを倒す』


ずいぶんなめられたものですねぇ...。
とは言いましても私、喧嘩はそこまで強くないんです。
何せ、かなり非力ですから。
間違いなく狙われたら危ない部類に入るでしょう。

それでも...腕っぷしが弱くても、官兵衛様のように策略をたてることなら、私にも出来るかもしれません。




「それでは旗印戦、開戦！」




法螺貝の音が鳴った。



(官兵衛様......私、精一杯頑張りますからね)



彼女の目には、珍しく意思の強さが垣間見えた。

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