検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:327 hit

包帯 ページ3

「ああ、その通り。だのにこの少年に迷惑をかけた。これは此方の落ち度……何かお詫びを」

――ぐうぅう

「「『……』」」

「……空腹かい少年?」

「じ、実はここ数日何も食べてなくて……」

――ぐうぅう

「私もだ。ちなみに財布も流された。」

 矢っ張りか。

「ええ?助けたお礼にご馳走っていう流れだと思ったのに!」

「?」

「『?』じゃねえ!」

 「Aさん、話が違いますよ!?」とでも云うように私の方を見ていた気がしたがそっと目を反らした。

「おォーい!!」

 遠くから人の声が聞こえた。
聞き覚えのある同僚の声だ。

「A!見つかったか!」

『はい、此方に。』

「おー国木田君ご苦労様」

「苦労は凡てお前の所為だ!この自 殺嗜癖!
お前はどれだけ俺の計画を乱せば――!」

 ……今日は一段と苛立っている様子だ。

「そうだ君。良いことを思いついた。
彼は私の同僚なのだ。彼に奢ってもらおう」

「へ?」

「聞けよ!!」

『まあまあ……』

「君は……敦君、だったよね?」

「はい」

「ついて来たまえ、敦君。何が食べたい?」

「はぁ……あの……茶漬けが食べたいです」

 ……茶漬け?

「はっはっは!餓死寸前の少年が茶漬けを所望か!良いよ、国木田君に三十杯くらい奢らせよう」

『うわぁ。容赦無い』

「俺の金で勝手に太っ腹になるな太宰!」

「太宰?」

「ああ、私の名だよ。
太宰――――




  太宰治だ。」


……何故この人は妙に格好つけたがるのだろうか。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←少年



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.5/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:太宰治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鮭茶漬け - はらさん» すみません、忘れてました…… (2018年4月24日 19時) (レス) id: 2a5ccbeee5 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年4月24日 6時) (レス) id: 176a6726c2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鮭茶漬け | 作成日時:2018年4月24日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。