もののべ ページ33
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私にとって、悠仁との再開は酷くあっさりとしたものだった。
最初の訃報を聞いた時にもう一生分泣いたからというのもあるだろうが、そんなことよりも実の弟の悠々自適な雰囲気に呆れているといったほうが正しいだろう。
五条先生との稽古が終わって早々、隣で大きなおにぎりを頬張っているこいつには毎度逆の意味で圧倒させられている。
「そういえば、君に頼まれていた件だけど……ある程度絞れてきたよ」
おにぎりを頬張る悠仁の横で、五条先生が私にだけ聞こえる声で呟いた。
彼に頼んでいた件、それは夢に出てきたあの男のことだ。
恐らくあの夢は両面宿儺の記憶の片鱗のようなものなのだろうが、なぜだかとてもぼんやりとしていて鮮明ではなかった。
覚えていることといえば、月光に照らされた翡翠の髪だけ。
『やっぱり、歴史書に何か記述があったんですか……？』
「あるにはあったんだけどね……如何せん、彼が本当に存在していたのかという確証がないんだよ」
先生はそう言うと、部屋の隅に置いてあった数冊の本の中から分厚く古びた一冊を拾い上げ私に手渡した。
ほこり臭いそれは、たぶん彼が私に渡すためにあらかじめ用意しておいてくれたものだろう。
「……君、物部氏って聞いたことあるかい？」
『もののべうじ……？』
「大昔に力を持ってた氏族だよ。当時から呪術にも長けていたって話だ」
私は渡された本をハラハラとめくりながら、先生の声に耳を傾ける。
解読できないほどに達筆な文字がいくつも綴られていることからして、相当年季が入っていると思われるこの本。
「その氏族の中でも、とりわけ力を持っていたとされる男がいてね。君の言う人物の特徴には当てはまっていると思うよ」
『……それじゃあ、その人が私の探してた』
そう言いかけた時、横から伸びてきた五条先生の手が私の持っている本のページをめくり始めた。
数枚、また数枚と器用にめくられていく中、本の中盤あたりにさしかかったところで彼の手が止められる。
……見開かれたページに書かれた文字をなぞるその指が、ひどく艶かしく見えた。
「
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さくら(プロフ) - 今日一気読みしましたぁ✨続き気になるぅ〜😭もう作者様のファンになりました私！！話好きすぎる…🥺いつでもまってます！！ (8月15日 0時) (
レス) id: b75e9c1e96 (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - 本当にこの話大好きです！更新待ってます！ (8月11日 23時) (レス) @page33 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
Nyamyu(プロフ) - 更新もっとほちぃっす… (7月27日 5時) (レス) id: 6b9d2f667c (このIDを非表示/違反報告)
D - めっちゃ読みやすいです。小説の書き方、スッゴイ好きです！つい夜更かししてしまうほど全て読んでしまいました。更新、お待ちしています。無理なさらない程度で！ (2023年4月9日 11時) (レス) id: e1459171f3 (このIDを非表示/違反報告)
いか焼き - 忙しい中でもこんなに更新してくださっている…！（泣）ありがとうございます！！人気の作品って突然更新停止してる奴が多いのでめっちゃ嬉しいです…！無理しない程度で更新してください！全然こっちは待つので！！お身体にはお気をつけて下さい！！！！！ (2022年7月4日 3時) (レス) @page21 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀛 | 作成日時：2022年2月27日 13時
