抗う術 ページ31
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ツンと跳ねた黒髪の下から、赤黒い液体がまるでペンキのように鮮やかな色のままダラダラと流れ落ちている。
『よし……とりあえず、応急処置ということで。塞がったとは思うけど、私が不安だからちゃんと硝子さんにも診てもらおうね』
伏黒くんの手当てを終え、私は一人入っていた肩の力を抜く。
京都校の二人組は、とにかく好き放題やるだけやって帰っていった。
なんでもこれから、「タカダちゃん」というアイドルとの握手会が控えているとかなんとか。主に東堂さんの趣味らしいが、結局真希ちゃんの妹さんもそれに連れられるようにして去った。
まさに台風一過。一時の緊張から解放されたおかげで一気に疲れが押し寄せてくるような感覚に襲われる。
それにしても、伏黒くんのような隙の無い人物にこれだけのダメージを与えてなお飄々としていた東堂さんとやらが、呪術師としてかなりの才能を秘めているのは確かだ。
「すんません……ありがとうございます」
『そんな、褒められたことじゃないよ。私が色んな面でもっと強かったら、伏黒くんにも野薔薇ちゃんにも傷終わせなくてすんだのに』
先程の一件で、私は改めて自分の無力さを痛感した。そもそも私には反転術式以外これといった強みがない。
あの時真希ちゃんが来ていなかったら一体私はどうするつもりだったのか。
とにもかくにも、反省点とこれからの課題は盛り沢山というわけだ。
「俺達も、もう少し早く加勢できれば良かったんだけどなあ……」
「しゃけ」
私の言葉を聞いたパンダくんと狗巻くんは、そう言って難しそうな表情を浮かべる。
そもそも、この件において絡んでいるのは彼ら二人の生徒だけではないはずだ。
五条先生から話は聞いていたけれど、悠仁の一件といい今回のことといい、その背景にいるのは権力そのもの。
『ねえ、京都校の人達ってみんなあんな感じなの？』
「うーん、なんというか……確かにあいつらが例外ってわけではないな」
『あー……そうなると、交流会はまた一段と大変ってことだね』
交流会で再び喧嘩をふっかけられる未来は目に見えている。
それに五条先生のことだ。その頃には、きっと悠仁を復帰させてくるはず。
……私はあいつの姉として、そしてヤツの生贄として。
一体この先どうすれば、何かを退けるほどの力を得ることが出来るのだろうか。
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さくら(プロフ) - 今日一気読みしましたぁ✨続き気になるぅ〜😭もう作者様のファンになりました私！！話好きすぎる…🥺いつでもまってます！！ (8月15日 0時) (
レス) id: b75e9c1e96 (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - 本当にこの話大好きです！更新待ってます！ (8月11日 23時) (レス) @page33 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
Nyamyu(プロフ) - 更新もっとほちぃっす… (7月27日 5時) (レス) id: 6b9d2f667c (このIDを非表示/違反報告)
D - めっちゃ読みやすいです。小説の書き方、スッゴイ好きです！つい夜更かししてしまうほど全て読んでしまいました。更新、お待ちしています。無理なさらない程度で！ (2023年4月9日 11時) (レス) id: e1459171f3 (このIDを非表示/違反報告)
いか焼き - 忙しい中でもこんなに更新してくださっている…！（泣）ありがとうございます！！人気の作品って突然更新停止してる奴が多いのでめっちゃ嬉しいです…！無理しない程度で更新してください！全然こっちは待つので！！お身体にはお気をつけて下さい！！！！！ (2022年7月4日 3時) (レス) @page21 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀛 | 作成日時：2022年2月27日 13時
