救いの手 ページ11
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どこからか聞こえてきた優しい響きの低音に気を取られていると、不意にするりと伸びた武骨な手が私の左腕を軽い力で引いた。
そのまま腕を引かれた方へとバランスを崩した私は、何者かの腕の中にすっぽりと収まる形で体勢を落ち着かせる。
「この人達は、君の知り合いかい」
『え……？』
「……ほら、話を合わせて」
耳元でそう囁かれるのと同時に、私はハッとした。
……この人、私のことを助けてくれようとしているのか。
若者の街では見かけないような黒の僧衣を着こなした男は、私の肩を抱きながら目を細め目の前にいるナンパ師達に向け薄く笑みを浮かべている。
とにかく今は助け舟だと思って、この人の言う通りにしてみるのが吉……なのだろうか。
『……知らない人、です』
そんな私の言葉を聞いた男達は、バツの悪そうな顔をすると僧衣の彼に向けて軽く頭を下げてから早足で逃げて行った。
まるで漫画の雑魚キャラのような逃げ足の速さに、格好良さなど微塵も感じることはできないだろう。
一言で言えば、「マヌケ」という言葉が良く似合っていると思う。
「とんだ災難だったね、お嬢さん」
肩に触れていた手が離れるのと共に、僧衣の男は優しい笑顔のまま私にそう言ってみせた。
……風になびく艶のある黒髪に、鼻筋の通った色っぽい顔立ち。両耳には大粒のピアスをつけていて、いかにも大人の男性という雰囲気を醸し出している。
五条先生の素顔にも衝撃を受けたが、この人は彼の唯一無二の美しさとは違う、人を惹き付けるような人間らしい美しさを兼ね備えているように思う。
『あの……助けてくださり、ありがとうございました』
「お礼なんて良いんだよ。困った時はお互い様とも言うだろう？」
くすくすと口元に手を当て紳士的に笑う男性を見つめながら、私は彼のおでこにある傷痕のようなものに目を向ける。
……縫い目、のようにも見えるその傷。どうしたらそんな傷痕が残るのかは分からないが、他が綺麗すぎるためかやたらと傷に目がいってしまうのだ。
人の顔をジロジロ見るのはあまり良くない。そう思った私は、しばらく彼の端正な顔から目を背けることだけに集中していた。
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さくら(プロフ) - 今日一気読みしましたぁ✨続き気になるぅ〜😭もう作者様のファンになりました私！！話好きすぎる…🥺いつでもまってます！！ (8月15日 0時) (
レス) id: b75e9c1e96 (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - 本当にこの話大好きです！更新待ってます！ (8月11日 23時) (レス) @page33 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
Nyamyu(プロフ) - 更新もっとほちぃっす… (7月27日 5時) (レス) id: 6b9d2f667c (このIDを非表示/違反報告)
D - めっちゃ読みやすいです。小説の書き方、スッゴイ好きです！つい夜更かししてしまうほど全て読んでしまいました。更新、お待ちしています。無理なさらない程度で！ (2023年4月9日 11時) (レス) id: e1459171f3 (このIDを非表示/違反報告)
いか焼き - 忙しい中でもこんなに更新してくださっている…！（泣）ありがとうございます！！人気の作品って突然更新停止してる奴が多いのでめっちゃ嬉しいです…！無理しない程度で更新してください！全然こっちは待つので！！お身体にはお気をつけて下さい！！！！！ (2022年7月4日 3時) (レス) @page21 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀛 | 作成日時：2022年2月27日 13時
