からきし ページ8
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『えっと……私はこれから、何をすれば良いのでしょうか』
唐突に渡された竹刀を片手に、私は目の前でこちらを見つめる彼女に問う。
「何って、腕試しに決まってんだろ。
腹を立てるように言った真希ちゃんは、手にしていた長い木製の棒みたいな武器の先を、コンっと地面に打ち付ける。
……いや、腕試しと言われましても。私体術とかからっきしだし。
剣道なんて、中学の体育でくらいしかやったことないんだけど。
「と言ってもなあ、Aは呪力を取り込んだってだけでほぼ一般人みたいなもんだろう。いきなり腕試しなんかして大丈夫なのか？」
「おかかあ」
「知らねえよ、んなことあのバカに聞け」
それだけ言うと、彼女は軽々と棒を扱いこなしながら、その先で私の喉元ギリギリまでを突いた。
急に近くなった武器との距離に、私は驚き目を見開く。
動きが早かった……キレのある滑らかな腕使い。実力は悠仁と同じくらいか、下手したらそれすら簡単に凌ぐほどのものを持っていると仮定する。
そんな人から私が一本取れるわけないし、五条先生はそれを知っているはずだ。
一体今度は私の何を試すつもりなのだろう、あの反面教師。
「せっかく宿儺の力を飼ってるんだ。それを使っても良いから、私から一本取る覚悟で向かって来い」
『そんなこと言われても……！』
「御託を並べる暇があったら手足を動かせ、転校生！」
今の私には向かいくる彼女の攻撃を、竹刀で受け止めるのが精一杯だ。
力に負けてしなる竹刀。この体勢から押し返すのはとてもじゃないけれど不可能で、ズズズと嫌な音を立てて靴裏がすり減るのが分かる。
とにかく踏ん張ってはみるものの、力を入れれば入れるだけなぜか押し負けていくような感覚に陥ってしまう。
『ッ……力っ、強ッ！』
「これでもかなり手加減してる。オマエが非力なだけだ」
そんな声だけに気を取られていると、思い切り足を引っ掛けられてしまい体は早々にバランス力を失った。
重心の崩れた私の体は、そのまま背中の方から地面へと倒れ込んでいく。
瞬間、ガンッと鈍い痛みが私の腰と頭を直撃した。
『うぅ、痛ったぁ』
「マジでダメだなあ、オマエ。憂太の時より手がかかりそうだ」
私の体の上に馬乗りになるようにしてこちらを見下ろした真希は、どこか呆れたように呟いた。
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いか焼き - さ い こ お です！この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (
レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……！今後どうなるかとても楽しみ……！更新頑張ってください！！ (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ！これからも、作者さんのペースで頑張って下さい！ (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました！ (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀛 | 作成日時：2022年1月29日 15時
