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成立 ページ44

·










……苦しみにもがきながら意識を失って。


気が付けば、そこには何の変哲もない自室の空間が広がっている。



口の中にこびりついた血の味に、腕に残る微かな痛み。

あれは夢ではなかったのだと、今一度思い知らされているようで腹が立つ。







《目覚めはどうだ、小娘》






突如脳内に響いた声に体を揺らしたことで、ベッドが鈍く軋む。


結局私はコイツに負けて、まんまと縛りを結ばされたわけだ。






『もちろん最悪よ。……悠仁のこと、信用しても良いんでしょうね』


《まあそう焦るな、あとは小僧次第だ》


『悠仁次第って……?』






_________ピロンッ…





宿儺の言葉に疑問を抱いた時、枕元に置いてあったスマホから通知音が響く。






《……呼ばれているようだな》


『ッ……タイミング悪っ、』






ヤツの言葉を深く掘り下げてやりたかったが、もしこれが緊急の用ならばマズイ。

私は渋く顔を歪ませながら宿儺声に促されるよあ起き上がり、スマホへと手を伸ばした。



……ぼんやりと光る画面に表示されているのは、一件のメッセージ通知だ。






『……先生?』






よく見れば、そこには【五条悟】という文字の下に


「気が向いたらで良いから、職員室まで来てくれる?」


……という、気を遣ったような一文が添えられていた。


先生から直々になんて珍しい。何か話したいことでもあるのだろうか。






『……12時か。完全に寝過ごしてるなぁ』






時計を見れば、既に昼の12時を過ぎている。


休みの連絡とかしてないけど、大丈夫だったのだろうか。

きっと真希ちゃん達にも迷惑をかけてしまっているし、こんなところでいつまでもくよくよしていられない。






『……あんたのこと、いつか絶対殺すわ』


《大きく出るな。それは俺に対する挑発か》


『そうよッ。だからその時まで、必ず死なないって誓ってあげる。これで悠仁のこと殺したら、不幸被ってでも私は命を捨てるわ。あんたの思い通りにだけは、絶対にさせないから……!』


《ああ、好きにすると良い。それでオマエが納得するのなら、俺はいくらでもその機会を与えよう》






試すような声が頭の中に響き渡って、こめかみが酷く痛む。



ムカつくけど今私にできることは、悠仁のために生きること。






『……なら、交渉成立ってことで』






……ただ、それだけなんだ。






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隠し事→←血の縛り



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いか焼き - さ い こ お です!この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……!今後どうなるかとても楽しみ……!更新頑張ってください!! (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ!これからも、作者さんのペースで頑張って下さい! (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました! (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月29日 15時

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