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提案 ページ42

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『悠仁が死んでないって……どういうこと?』






こちらを覗く赤い瞳を、私は疑問の色を孕むようにして見つめる。



いや……私は確かに見た、悠仁の亡骸を。

横たわるあいつの体は酷く冷たくて、ぽっかりと空いた胸元の穴が虚しさを煽っていた。


だと言うのに、死んでいないとはどういうことなのか。






「まあそう焦るな、俺も気が変わった。近々面白いものが見られるかもしれんぞ」


『……面白いもの?』


「ああ……それに、俺はオマエの行く末も見届けねばならん」






ケタケタという不気味な笑い声が、辺りの静けさに混ざり消えていく。


宿儺はそれだけ言うと、触れていた私の頬から手を離し後ろを向いて頭蓋の山の方へと一歩、また一歩と歩みを進めた。



コイツの言っていることを、手放しに信用して良いのだろうか。


どこまでが本当で、どこからが偽りであるのかすら分からない。






「オマエとて、弟をこのまま捨て置くのは癪だろう」


『……ハッ、何?私と取引でもしようって言うの』


「違う。これは取引などという甘美な話ではない」






そう言ったあいつの瞳が、ギラりとより一層怪しく輝いた気がする。






___________グチッ




宿儺は口を開き己の犬歯を光らせると、鈍い音を立てて下唇を噛み切った。

たらりと赤黒い血液が、ヤツの唇から流れ落ちる。






『なに、して……』


「……縛り。言うなれば、代償を伴う契りだ」






つまり、コイツは悠仁を助けたいなら「縛り」を結べと言っているのか。


そんな嘘くさい話信用できるわけがないというのに、何を思い立ってそんなことを提案するのだろう。


ヤツの考えていることは、いまいち良く分からない。






「条件はたった一つ。オマエはこの先“何があっても死んではならない”。それと引き換えに、俺が小僧の体を治してやろう」


『……それが、あんたの提示する縛り?』


「ああそうだ。しかし、もし何らかの要因で小娘の命が尽きれば、罰を受けるのはオマエ。逆に俺が縛りを破れば、その罰は俺に降りかかる」







_________“悪くない話だろう”




狡猾さを含んだ低い声が、こちらを見定めるかのようにして言った。






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いか焼き - さ い こ お です!この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……!今後どうなるかとても楽しみ……!更新頑張ってください!! (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ!これからも、作者さんのペースで頑張って下さい! (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました! (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月29日 15時

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