差し入れ ページ21
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「どうやら、上手くやっているみたいだな」
不本意ながらアイツのおかげで呪力操作のコツを少しだけ掴むことができた後、例の呪骸を抱き映画鑑賞を続けていると硝子さんがビニール袋を片手にやってきた。
差し出された袋を手に取り中を覗くと、おにぎりやらお菓子やらの食べ物がたくさん詰め込まれている。
「差し入れだ。昼はまだなんだろう?」
『すみません態々……ありがとうございます』
「良いよ、このくらい。君にはこの後も頑張ってもらわないとだからね」
30分ほど休憩したら始めようとのことだったので、私はさっそく硝子さんにもらったコンビニのおにぎりを頬張った。
ちなみに、中の具はツナマヨ。私が割と好きなやつ。
個人的にはしゃけとツナマヨがおにぎりの定番だと思う。
「しかし、五条から聞いて驚いたよ。まさか君が反転術式を使えるようになるなんてね」
『まだ使えるって程じゃないんですけど……理屈もよく分かってないし、たまたまみたいなものです』
「その辺は私も感覚でやっているようなものだから、なんとも言えないな。まあ、理由がどうであれ君にセンスがあるのは確かだ」
硝子さんは私の隣に腰掛け、買ってきたペットボトルの水を飲みながらそう言った。
センスか……あるなら嬉しいにこしたことはないけど。
反転術式の場合、先程宿儺に教わった呪力操作とは違う考え方が必要になってくるはずだ。
とは言えあくまで思考は柔軟に……じゃないとまたアイツに何か言われるかもしれないし、ここは素直になろう。
「そもそも、反転術式を使って自らを治癒することはさほど難しくない。だが、君に求められているのは私と同じ他人を治癒する力だ」
『同じ術式の範囲内で、そんなに差があるんですか?』
「私にはその感覚がいまいちよく分からないが、一般的にはそうらしい」
私の問いかけにあっけらかんと答えた硝子さん。
そういえば五条先生も、反転術式は誰にでもできることじゃないと言っていたっけ。
私は今から、そんなに難しいことを覚えようとしているのか。
なんというか、今更ながら心配になってきた……。
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いか焼き - さ い こ お です!この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……!今後どうなるかとても楽しみ……!更新頑張ってください!! (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ!これからも、作者さんのペースで頑張って下さい! (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました! (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀛 | 作成日時:2022年1月29日 15時