検索窓
今日:52 hit、昨日:29 hit、合計:429,618 hit

正解 ページ14

·









美しい碧眼がこちらを見下ろす。

まさか目隠しの内側にこんな綺麗な顔が隠れているとは思わなかった。


私はその眼に見つめられるのが少し恥ずかしくなって、とりあえず目の前の彼から目線を外す。


無駄に顔が良いのは腹立つが、認めざるおえないのも事実。






『……えっと、いつもみたくやれば良いんですか?』


「そう。自分の手に集中して、呪力を集める感じでね」






五条先生に促されながら、私はパンダくんと稽古している時を思い出しながらいつものように集中する。


指先の感覚を研ぎ澄まして、自分の中にあるアイツの禍々しい呪力を感じ取りながら探っていく。


ここまではいつもできるんだ。でも、ここからこの感じ取った呪力を拳に纏わせるというのがどうも上手くできない。


ふわりと呪力が湧き上がり、空気がピリつくのが分かる。


私はより集中するため、キュッと眉をひそめた。






「ッはは、マジかよ……!」






……が、途中先生の聞いたことないくらいガラの悪い声が聞こえて、その集中は全部吹き飛んだ。


顔を上げると、例の碧眼がじっとこちらを見据えながら笑っている。

目隠しをしている時とは段違いのプレッシャーに、私の背筋は無意識に伸びた。






『……先生?』


「ああ、ごめんごめん。久しぶりに面白いもん見れたから、ちょっと興奮しちゃった」






五条先生はあっけらかんとした態度でそう言うと、またいつものように目隠しを着用する。

そしてそのまま私の方へと詰め寄り、こちらに顔を近づけてにっこりとその口角を上げた。


艶のある厚い唇が、私の目に飛び込んでくる。






「Aはさ、呪力のコントロールができてないわけじゃないよ」


『……それ、本当ですか?』


「うん、ほんと」






私の問いに首を縦に振った先生は、自らの手で私の胸骨の辺りを軽くトンッと押した。


鈍い衝撃に、私の体は後ろの方へ少しだけ揺れる。






「……だって君、“反転術式”使えてるし」






彼から告げられた驚愕の一言は、私が理解するのに酷く難しいものだった。







·

プラス→←碧眼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (434 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1448人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いか焼き - さ い こ お です!この話マジですこ… (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれちゃん - 続編決定…!ありがとうございます泣 (2022年2月27日 1時) (レス) @page50 id: 1871179020 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - タイトルに目を惹かれ読んでみたらめちゃくちゃ面白かったです……!今後どうなるかとても楽しみ……!更新頑張ってください!! (2022年2月8日 7時) (レス) id: 382d4af167 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ - 更新してくださる事が嬉しいですっ!これからも、作者さんのペースで頑張って下さい! (2022年2月3日 23時) (レス) @page27 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
mithukoaaa0306(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました! (2022年1月30日 2時) (レス) @page8 id: 96b8b42efc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年1月29日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。