壱 ページ4
あの日から、気が遠くなるかのような年月が流れた。
そして、生まれ変わりもあった。
僕はキメツ学園の中等部2年、里芋組の生徒。
このキメツ学園には、前世で鬼殺隊だったメンバーが大勢いる。
だから、Aもいると思っていた。
が、どれだけ探してもAはいなかった。
Aは17歳だった。
いたら、高等部2年か高等部3年。
でもいなかった。
今日もここ、キメツ学園に来た。
今日は、いつもやかましいこの学園が、さらにやかましかった。
そして、ある噂を聞いた。
モブ女1「転校生が来たらしいよ。すごく可愛い子何だって。」
モブ女2「へえ。確か高等部だったよね。」
モブ女3「今見てきた!すっごい可愛い子だったよ!栗色の髪に、ガラス玉みたいな青い瞳だった!」
栗色の髪・・・?
ガラス玉みたいな青い瞳・・・?
Aッ!
時「その子今どこにいるの?」
僕は、反射的に話しかけた。
モブ女たちは、もじもじしながら教えてくれた。
昇降口の片隅にいるらしい。
気づいたら走り出していた。
階段をかけ下りて、昇降口まで向かう。
いつもと変わらないはずなのに、昇降口への道のりがひどく遠く感じられた。
そして昇降口についた。
片隅で窓から外を見つめる女の子がいた。
栗色の豊かで長い髪。
透きとおるような白い肌。
ガラス玉のように青い瞳。
驚くほど華奢で可憐な立ち姿。
A。
間違いなく、Aだ。
高等部の制服を着ていて、スクールバックを持っている。
僕は、思わず話しかけた。
時「A・・・?僕のこと、覚えてる?」
Aはキョトンとしていた。
『あなた・・・誰?どうして私を知ってるの?』
久しぶりにあった恋人の口から出てきたのは、あり得ない言葉だったもので、僕はしばらくあっけらかんとしていた。
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作者名:四つ葉見つけた | 作成日時:2020年5月11日 22時