完璧少女の正体は・・・【時透無一郎】 (ページ14)

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俺は、しばらくAの超高速タイピングを見ていた。

Aはその間にも鬼殺隊のことを黙々と調べていた。

そのほとんどが事実で、すこーし・・・いや、かなり驚いている。

これが高等部のタイピング。

僕は一生できそうにない。

僕、この高速タイピングできそうにないから高等部なれないかも。※なれます。

やがて、Aのタイピングは終わり、ノートパソコンは閉じられた。

Aは、そのノートパソコンをカバンにしまい、早々に立ち上がる。

「冬姫〜。これからカラオケ行かね？」

「ね、良いでしょ？」

高等部の先輩達がそれぞれAを誘う。

だがAはそれを笑顔でやんわりと断わった。

『ごめんね、私、用事があって。また今度で良い？』

いやこのキラキラスマイルで断られたら文句言えないよ。

そして、Aは、僕の方を向かずに、若干冷たく言い放った。

いや若干ってだけで口調は柔らかいんだけど。

『無一郎くん。盗み見、盗み聞きなんてらしくないね。』

っ！！

気づかれてた！？

いや、気付く素振りはみせなかった。

だったらいつ気付いた？

『来たときから、ずーっと気づいてたよ。』

他の先輩は気づかなかったようで、あっけに取られている。

なぜ怒っているんだ？

『どうしたの、何か用？』

時「そ、それは・・・」

僕がたじろいだ数秒後。

Aは花のような笑顔で笑った。

『ぷっ、何それ！別に怒ってなんかいないって！』

・・・へ？

怒って、ないの？

Aが怒っているとばかり思い込んでいた僕は、一瞬何がなんだかわからなかった。

『からかっただけよ。で、何？』

からかっただけ？

さっきまで何か気に触ることしちゃった？と考え込んでいた自分が阿呆らしい。

時「いや、一緒に帰ろうかと・・・」

『なんだ、そんなこと？でも私、ちょっと行くところがあるんだよね。』

ガラス玉のような青い瞳はこちらを真っ直ぐに見ていて、何もかも見透かされてるかのような感じがする。

そういうところでいうと、Aはちょっと怖い。

『ここで話すのもなんだから、一旦場所変えよ？』

言われるがままにうなずく。

Aは他の先輩達を無視して、こちらへ歩いてきた。

そして僕の手を引っ張って昇降口まで軽めに走る。

そう、僕が先輩達に睨まれていることも知らずに。