松野家三男やってます。9

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『わぁ…！ここが国営ひたち海浜公園…！』



「青い花…まさにこの俺に相応しい場だな…。
さあ、ハイ松。この背景をバックに撮ってくれ！」



『オッケー！』



「はしゃぎすぎでしょ」



けんちんそばを食べて1番の目的地である
国営ひたち海浜公園に着くと、
一面には青い花畑が広がってとても綺麗だった。

背景にして右手を挙げて人差し指だけを立てて
両足と左手を広げてポーズを取るカラ松に
ハイ松は様々な所から写真を撮った。

チョロ松は2人から少し離れたところから見ていた。



「……でも、本当に綺麗」



一面の青い花畑に見惚れてしまうチョロ松。
カラ松の写真を撮り終えたハイ松は
そんなチョロ松の姿を1枚写真を撮った。

カメラのシャッター音が聞こえ、
チョロ松はハイ松の方へと視線を向けた。



「ハイ松兄さん、撮ったでしょ？」



『あ、もしかして嫌だった…？』



「ううん、嫌じゃないけど…。
あんま良い顔してなかった気がする」



「？全員同じ顔だぞ？」



「そういうことじゃねぇ！」



チョロ松の言葉が伝わらなかったのか、
疑問符を浮かべながら言うカラ松にツッコミをするチョロ松。

ハイ松はそんな2人を横目に先程撮ったチョロ松を見ていた。



『そうかな。良い顔だと思うけど。
見て、カラ松兄さん』



「おぉ。ベリーキュートだなチョロ松」



「ぜんっぜん嬉しくねぇ」



『(の割には顔赤い…)』



きっと照れ隠しなのだろう。

微笑ましさからハイ松は控えめに笑った。



『可愛いよ、チョロ松』



「ハイ松兄さんまで」



ハイ松からも「可愛い」と言われてしまい、
チョロ松の顔もほんのりと赤く染まっていた。
可愛い弟を見てカラ松とハイ松は揃って頬を緩めていた。



「そういや、ハイ松兄さん写真撮られてないよね。
貸して、僕が撮るから」



『え、いいの？チョロ松』



「うん、ほら貸して」



『あ、ありがとう…！』



今まで兄弟の写真や風景を撮っていたハイ松だったが、
チョロ松が撮ってくれるということで、
青い花畑の前に立ってピースをする。



「ハイ松、ナイス笑顔だ！」



『……ちょっと恥ずかしいから早く撮ってねチョロ松』



「オッケー」



「ン〜？」



カラ松の言葉を無視してチョロ松が写真を撮ろうとボタンを押す。
すると、それを遮るように鳩がカメラの前を飛んで行った。



─カシャッ



「「『あ』」」



思わず3人の声が重なった。

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