松野家三男やってます。9

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｢トト子知ってます！馬主ってすごいお金持ちなんですよね？
馬主ですか？正直に！｣



｢トト子ちゃん？｣



｢貴方馬主ですか？正直に！｣



｢あの…｣



｢馬主ですか？貴方馬主じゃないんですか？
ねえ馬主？正直に！｣



トト子は色々な男性から片っ端に馬主なのか聞いて回っており、
チョロ松の制止する声も届いてすらいなかった。



｢すいませーん！この中で馬主の人ーーー！！｣



トト子が大声で呼びかける。

…が、当たり前だが返事する者は誰も居なかった。
当たり前だろう。皆競馬を見に来ているのだから。



｢もうっ！馬主全然居ないしー！トト子帰るー！｣



『｢｢｢｢｢｢ちょちょちょちょ！！｣｣｣｣｣｣』



不機嫌になって頬を膨らませて帰ろうとするトト子に
七つ子は慌てて彼女を止めた。



ｰｰｰｰｰｰ



今度はトド松がトト子に競馬を教えようとする。



｢あ、あのね？トト子ちゃん！

競馬って言うのは…勝手に馬に乗ったり、
馬主を取っ捕まえて人生を変えるものじゃなくて、
馬の着順を当てるゲー……き、聞いてる？｣



トド松が分かりやすく丁寧に説明をするが、
トト子は全く聞く耳を持っていなかった。



｢あははっ！｣



｢…え？｣



突然走り出すトト子にトド松は不思議そうに彼女を見ていた。



｢わぁ…駄馬ばっかりねぇ…｣



｢トト子ちゃぁぁん！！？？｣



なんとトト子は競馬に来た馬によく似た人たちを
しれっと悪口を言っていた。しかも聞こえる声の大きさで。
トド松が慌てるのも無理はないだろう。



｢コイツらが今から走るの？｣



｢走んない！！馬じゃなーい！！！｣



｢よし！お前が一着で、お前が二着だ！｣



『｢｢｢｢｢｢ちょちょちょちょ！｣｣｣｣｣｣』



勝手に着順まで決めるトト子に七つ子は止めて、
馬によく似た人達から無理矢理離した。
離さないと何を仕出かすかたまったもんじゃないからだ。



ｰｰｰｰｰｰ




｢きゃあぁ！やっぱりお馬さんってデカすぎぃ！デカすぎぃぃ！｣



『｢｢｢｢｢｢ちょちょちょちょっ！｣｣｣｣｣｣』



馬の息子を見て興奮するトト子に七つ子はレース場から離れて、
馬券を買うエリアまで移動をした。



ｰｰｰｰｰｰ




｢へぇ…馬券って色んな買い方があるんだねぇ。面白ーい！｣



｢しかも、100円から買えるんだよ！｣



｢100円？！お前達文無しにも優しいね！｣



｢そう…俺達文無しにも優しいの…｣



｢へぇー…｣

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