松野家三男やってます。9

● ページ37

*



初めて知った。

とでも言いたげな表情でショックを受けるハイ松。
おそ松とトド松は2人で顔を合わせて溜め息を吐く。
彼の無自覚っぷりに呆れているのだろう。



『あのね、正直アニメの第1話が大人の事情で消されて、
F7の僕がどういうキャラなのか視聴者に分かる？
松野松楠やエンディングぐらいでしか
F7の僕ってチャラ男みたいな感じって伝わらないし。

制服もっと着崩しても良かったことない！？
あんなのブレザーに腰巻いただけだし…！
だからそれも踏まえてちょっと愛が重めのキャラは
ギャップはギャップで良いと思うの！』



「自分の愛が重いって認めてるし！」



『ち、違うよ…！』



F7での自分のキャラについて少々不満を垂れ流すハイ松は
シレッと自分の愛が重いと自覚したような発言をする。
が、トド松から指摘をされた後、
また思い切り首を振って戸惑っているようだった。

頑なに認めたくないのがヒシヒシと伝わってくる。



『で、でもさ！愛って軽い方よりかは重い方がマシかなって！』



「まあ分かる。分かるよ？だけど、お前はやり過ぎ」



「限度ってものがあるでしょ？
家呼んで来た時ウエディングドレスで花束抱えた女の子どう思うの」



『可愛いと思う…！』



「なんでだよ！！」



「そこはホラーでしょ！ホラー一択でしょ？！」



『え』



おそ松とトド松の言っている意味が分からないのか、
頭に疑問符を浮かべてばかりのハイ松。

ハイ松は少し考え込んだあと、
「あっ」と思い出したように呟いた。



『好きな子なら可愛いけど好きじゃない子はちょっと…。
フォロー出来ないというかなんというか…』



「好きな子限定かよ！！」



「いや、ハイ松兄さんが好きな子が
こんなことやるとは到底思えないから！
不審者で捕まるから！ほんとに！

ハイ松兄さんヤバいから！！」



『僕これでも七つ子まとも組だし…。問題児組扱いされてもね…』



問題児組と聞いて挙げられるのは、
カラ松、一松、十四松の3人組だろう。
手を横に振りながら気まずそうに言うハイ松に
おそ松は一瞬思考が停止し、トド松は額に手を当てた。



『愛が伝わってないよりかは、
愛が伝わってる方が良いと思うんだよ！？』



「一理あるけどね」



『でしょ！？だから………………でも、そうだよね。
第三者の意見ってすっごく大事だし、
これからは気を付けてみるね。ありがとう』



「いきなりどうした」

●→←●重いわ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す