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「「…………」」
『「「…………」」』
しかし、おそ松の言葉に兄弟達は何も響かず、
カラ松とトド松がお互い無言で見つめ合い、
一松、ハイ松、十四松の三人がそれぞれ顔を見合わせていた。
反応から察するにかなり微妙だ。
「いやリアクションは!?」
彼らの茶番も終わったところで、いよいよ試合が開始される。
〈さあ!では本日第三試合開始!〉
「プレイ!」
「だよ〜〜〜ん!」
「…………」
試合開始の合図をしてくれたのは応援席にはいなかったダヨーンだった。
なんとも言えない独特な開始方法に松造は唖然としていた。
「んだよノリわりぃな…。やっぱここは俺が引っ張るしかないか…」
ピッチャーとして張り切っているおそ松は後ろに被っていた帽子を
ツバを向けて被り直し、グローブにあったボールを強く握る。
─見せてやるぜ、俺のピッチング…。
弟達の為にも、この一球に…全てを賭ける…!
「いやまだ初球だよ?何盛り上がってんの。ちゃっちゃと投げて」
─思い起こせば…。
「思い起こすなよ!!だから初球だよ!!」
─そう…。このセンバツに勝つために…今まで色んなことがあったよな…。
おそ松が思い起こしている内容はというと…。
センバツに向けて頑張ろうとする第一話の七つ子の姿。
「いや無かったよ?こんなこと」
大人になっておそ松がチョロ松の代わりに
プロ野球選手に握手しているシーンが蘇る。
「微妙に違うね。何これ」
一松がグローブとバットを大事そうに抱えているシーンも蘇る。
「いや無かったよこんなの!」
野球ユニフォー厶に着替えた六人の兄達が
トド松のバイト先の女の子にナンパ紛いなことをして
顔芸を披露するトド松のシーンが鮮明に蘇って来る。
「だからないって!!」
【配球のすべて】を兄達に解説するトド松の思い出も蘇る。
「ねぇよ!」
イヤミカートの際にコースアウトをしめまで、
野球選手を野球場に車で送った十四松がおそ松の脳裏に焼き付いた。
「いや…これはあったけど!」
─そう…今こそ…。その全ての思いを…。
ボールにぶつけるんだ!おそ松!
「良いから早く投げろよ!!イライラすんな!」
長い茶番は幕を閉じて、ようやくおそ松がボールを投げる時が来た。
「行くぞおぉ!はぁぁぁ!!」
おそ松が思い切り息を溜めてやる気を出しながら右足を上げて、
思いをぶつける勢いでボールを投げようとした。
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びたー(プロフ) - ゆっこさん» コメントありがとうございます。おそ松さんハマって自分のことのように嬉しいです😊この作品を読んでくれてとても嬉しく思います!ありがとうございます🙇亀更新ですが、これからも頑張っていきます。よろしくお願い致します🙏 (2022年9月24日 21時) (レス) id: 8be8dbacef (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 最近おそ松さんにまたハマり始めて占いツクールを適当に漁ってたんですが良作にあえて一気に見ちゃいました。これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2022年9月24日 18時) (レス) id: cd9fc5524f (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - くりおねさん» コメントありがとうございます😊はい…!遂に続編来ちゃいました!これからもよろしくお願いします🙏 (2022年9月23日 16時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
くりおね(プロフ) - もう続編か...!! (2022年9月23日 15時) (レス) @page49 id: a3e7c7059c (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - くりおねさん» 感情的になって言葉を崩してしまうハイ松くんを書いて不安でしたが、衝撃を与えてくれて気恥ずかしいです😌💞ありがとうございます😊 (2022年9月22日 13時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:びた一 x他1人 | 作成日時:2022年9月14日 21時