松野家三男やってます。8

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｢ダッヨーーーン、ダッヨーーーン｣



村の真ん中にある大きなダヨーンの石像が口を開けて、
いつもの語尾を発していた。

三人は顔を青ざめ、チョロ松はまた吐き気がしたのか、
後ろを振り返って嘔吐をしていた。



｢ど、どうしよ…｣



｢いやどうって…。大丈夫か？チョロ松…。っ！？｣



何度目か分からないチョロ松の嘔吐にカラ松が心配していると、
おそ松とカラ松はある人物と目が合う。
目が合ったのはダヨーンによく似た女の子だった。



｢｢………｣｣



二人はそんな女の子と数秒見詰めあう。

…そして。



｢ダ！ヨーーーン！！！｣



少女が大きな声で叫び始め、それを耳にしたダヨーンによく似た人達は
女の子の元へ一目散に走り始めた。
しかもかなりの数で崖から登っていく。

もしダヨーンを知らない人からしたらただの恐怖映像に過ぎなかった。



｢｢｢あ、ああ…。あーーーーー！！！！｣｣｣



危機感を感じた三人は大急ぎで逃げ始めた。

色んな所へ行くが鎌を振り回すダヨーンだったり、
特効服を身に纏ったダヨーンだったり、オカマのダヨーンだったりと、
とにかく色んな種類のダヨーンがいた。

三人は大きな岩へと逃げ回ってその場に座り込む。



｢｢｢はあ、はあ、はあ…｣｣｣



｢ダヨーン！｣



息を切らしている三人が休んでいた場所は岩ではなく、
大きなダヨーンだったことが判明した。
三人はその場から落ちて何とか怪我はしなかった。



｢おおお！よくあるやつう！！｣



三人はまた大量のダヨーン達から逃げていく。



｢んだよこれ！なんでこんな目に遭わなきゃいけないのお！？｣



｢とにかく出口だぁぁぁ！！｣



｢う"っ！お"えええ！！！｣



三人が逃げ回っているとチョロ松は走りながらまた吐くが、
吐いた場所を足で踏んで滑らせてしまい、
思い切り転んでしまったのだった。



｢大丈夫かチョロ松！今助けるぞ！チョロ松ーー！！！｣



｢じゃあ止まれよクソ松ーー！！！｣



カラ松の声も遠くなり、最早止まる気すらない兄二人に
チョロ松は叫びながら渾身のツッコミを入れる。
後ろを振り返れば大量のダヨーンがチョロ松を見ていた。
チョロ松はダヨーンによって一斉に囲まれてしまった。



｢あ、あぁっ…｣



先程、叫んでいたダヨーン似の少女がチョロ松に近付いてきた。



｢うわっ！わぁぁぁぁぁ！！！！！｣



残ったのはチョロ松の断末魔だけだった。

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