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「や、ちょっ」
くすぐったいと言いながらも時々喘ぐ善逸。
指を舐めているだけなのにこれほど卑猥さを感じるとなるとどれだけ己が善逸に対して大きな恋心を抱いているかがわかる。
実際へたをくくるように舌を動かすから指で感じ取れと言ったのだ。
拒否もできたはずなのに無防備にもこうやって本当に指を差し出すのだから好奇心というものはすごい。
「ん、こうやるんだぞ」
「あ、うん」
なんか色々なものを失った気がするとどこか遠くを見てぼやく善逸に、キスのうまさと引き換えだなと合いの手を入れてやると本当に上手くなってなきゃなにしてたんだってなるもんな、と笑った。
「してみるか」
「え」
スケッチブックを見つめながら問うてみる。
沈黙の後、小さく肯定する声が聞こえた。
人差し指と中指以外折りたたんだ手を差し出すと恐る恐るといった感じに両手で握った善逸はちゅ、と小さくリップ音を出しながら数回キスし、パクリと控えめに咥えた。
んっ、んっと顔を赤く染め少々喘ぎながらも必死に舌を動かす善逸。
指をまた別のものに錯覚してしまうほどの刺激に思わず目を晒す。
惚れた弱みというものか、いや、それを差し引いてもこれは。
どう、と息切れした善逸が聞いてきたので俺は
「お前が卒業したら実際にやって教えてやるから覚悟しとけよ、下手くそ」
と言っておいた。
意味を理解した善逸はまたしても顔を赤くしきゃんきゃん騒ぎながらもしまいには小さくではあるが肯定するものだから愛おしさが溢れ出す。
早く卒業してくれと願いながらその赤い頬を撫でた。
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作者名:腐柱 | 作成日時:2020年10月26日 0時