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放たれた矢の先。
陸奥さんの横に、多宝丸と、兵庫さんが揃って、こっちを睨んでいた。
身体を取り戻してほしいけど、これ以上鬼神に近づいてほしくはない。
どろろを連れ去られ、激おこ丸が爆誕、醍醐滅亡にかかる。
ってのは、私が知っている展開で、前みたいに予想外が起きるかもしれないんだけど。
「どろろは、どこか隠れておいて」
怒るどろろを、小声で、説得する。
「人質とかにされないでほしいんだ。この近くでいい。どうか、わかって」
向こうも向こうで、以前とは別人のような殺気を纏っている。
結局どろろが折れてくれて、目を赤くして、「勝てよ！」と背中をどついてきた。
「約束する」
どろろが森へ走り出した。
と同時に、陸奥さんが斬りかかってきた。
脇差で弾く。弾く。弾く。
「お前に会いたかった。A」
「そいつぁ嬉しいね」
陸奥さんの剣を振るスピードも、前とは違う。
久しぶりに、どきどきできそう。
「うわ」
おでこから垂れた血を拭った。
一瞬遮られた視界が、次に映したのは、振りかざされた矢。
素手でいくか。
陸奥さんの本気の度合いがわかる。
戦いの時は、誰かに命を捧げた者が、強い。
避けられる。
けど。
利き腕に焼けつく痛み。
目を見開く陸奥さんの肩に、脇差をぶっ刺した。
お互い、傷を抑えて、一旦退く。
「信じられない…痛くないのか」
「な訳。いってぇわ」
利き腕を犠牲にして、一撃かました私に、心底驚いたみたいだった。
「私は百鬼丸のためなら、何だってできる」
陸奥さんが多宝丸に、そうであるように。
でも、私のそれは、忠誠心からじゃない。
「恋とか愛の力、見せてやんよ」
笑って、刀をまっすぐに向ける。
私たちは、合図したように、駆け出した。
「よう、よそ者」
ぬう、と現れた手が、私の脇差を止めた。
陸奥さんは、突然の助太刀に、固まっている。
「…どういうことだよ」
「上の人の気まぐれの命令だ。
悪いな、A」
後頭部に喰らう衝撃。
あ、気絶する。
ぼやけた視界に、手足を縛られ、馬に乗せられる感覚。
聞き慣れた声が、ひどく昂って、A、A、と叫んでいるのが、遠くで聞こえた気がした。
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有希(プロフ) - 月兎さん» お久しぶりですー！この鬼神みある百鬼丸をカッコいいと…ありがとうございます。目線が変わっても感情がよく読み取れない、本当のところは何を考えてるんだろう、と気になってしまう、そんな風に描けたらと思うております。夢主の答え待っててくださいね。 (2019年6月26日 22時) (
レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - お久しぶりです。あの男性に連れていかれた夢主さん大丈夫でしょうか？連れさられた夢主さんを助け出す百鬼丸カッコいいです。明日の0時から最終回……目が離せません。夢主さんが現代に帰るのか帰らないのか、夢主さんの答えが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2019年6月23日 17時) (レス) id: fdb5669a18 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - この小説のためにさん、お久しぶりです。コメント嬉しいです。感無量です。ありがとうございます。どうぞアニメが終わっても、この作品の結末までつきあってください。夢主と百鬼丸とどろろの行く末見届けてください。よければまたコメントしてくださいね。 (2019年6月21日 22時) (レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 星の桜さん、またコメントありがとうございます。どろろ最終回いよいよですね。何だか今からどきどきしてます。テスト関係でしばらく更新できないので、待っていただけると嬉しいです。私はタオルケットで挑む予定です。 (2019年6月21日 22時) (レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
この小説のために - 久々に見に来て、たくさん更新されてて、嬉しい限りです！やはりこの作品が私の中で一番です！どろろ最終回にあたり、この作品にも終わりがやってきてしまうのかと思うと、寂しいですが、夢主の行く末を見たいのもたしか……。心がごちゃごちゃだぜ！！ (2019年6月18日 23時) (レス) id: 94dd1e54ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2019年4月7日 12時
