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「私の知っている展開じゃなかった」
夜中、男が現れると、まっさきに言った。
「お前が好き勝手してるんだから、そういうこともあるんじゃねぇの？」
適当な返事あざす。
「それよか今日こそ、俺に抱かれる気はねぇの？」
「ねぇよ」
くっくっく、と片手で顔を隠しながら、肩を揺らして笑う。
「これでも？」
百鬼丸の仮面。
手が離れた先に、「私が好きになった」百鬼丸がいた。
着流しの輪禍が歪む。
私のよく知る、白の柄入りの黒の着物へと変わる。
何でもありかよ。
「…あんた、まともなプレイしなさそうだから、パス」
「あーっそ」
あからさまに反応がよくなった私に、面白がって、ぐいぐいと顔を近づけてくる。
やめろ。抱かれたくなる。
「こいつは、身体を取り戻したその実、中身は遠ざかってることについて…お前は、どう思うよ？」
百鬼丸と180度違う口振りで、仮面を指差す。
こんなにも違うのに。
どうしてこうも。
胸が締めつけられる。
以前の、百鬼丸に。
「１６年も真っ白だったところに、突然、優しい色と同じくらい、汚い色まで被るようになったんだ。
しょうがない、と思うよ。寂しくてたまらないけど」
肉親に拒まれ、捨てられた事実。
飽ききれない、人の愚かさ。
喉が焼けるような、怒りや恨み。
それらすべて、身体が戻らなかったら、知るはずがなかった。皮肉な話。
百鬼丸の顔で、問う。
「お前にとって『人』ってのは何だ？」
「何度挫けても、前を向ける。
愛と繋がりで、助け合える。
…とか、表面だけのキレイな話を、真面目にできるほど、ガキじゃないんでね」
「だな」
百鬼丸の顔で、百鬼丸の身体で、する、と私を抱き寄せる。
「人を殺してはいけない…そんな二千年も前からわかっている当たり前のことを、人類は、まだ守れない」
ここまで愚かしい話が、他にあるか？
「そりゃあ、世界で2番目に人を殺す生き物にもなるわ」
1位は蚊らしい。
「人は人だよ。それだけだ。
天使に近づくことも、鬼神になることだってできる」
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有希(プロフ) - 月兎さん» お久しぶりですー！この鬼神みある百鬼丸をカッコいいと…ありがとうございます。目線が変わっても感情がよく読み取れない、本当のところは何を考えてるんだろう、と気になってしまう、そんな風に描けたらと思うております。夢主の答え待っててくださいね。 (2019年6月26日 22時) (
レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - お久しぶりです。あの男性に連れていかれた夢主さん大丈夫でしょうか？連れさられた夢主さんを助け出す百鬼丸カッコいいです。明日の0時から最終回……目が離せません。夢主さんが現代に帰るのか帰らないのか、夢主さんの答えが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2019年6月23日 17時) (レス) id: fdb5669a18 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - この小説のためにさん、お久しぶりです。コメント嬉しいです。感無量です。ありがとうございます。どうぞアニメが終わっても、この作品の結末までつきあってください。夢主と百鬼丸とどろろの行く末見届けてください。よければまたコメントしてくださいね。 (2019年6月21日 22時) (レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 星の桜さん、またコメントありがとうございます。どろろ最終回いよいよですね。何だか今からどきどきしてます。テスト関係でしばらく更新できないので、待っていただけると嬉しいです。私はタオルケットで挑む予定です。 (2019年6月21日 22時) (レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
この小説のために - 久々に見に来て、たくさん更新されてて、嬉しい限りです！やはりこの作品が私の中で一番です！どろろ最終回にあたり、この作品にも終わりがやってきてしまうのかと思うと、寂しいですが、夢主の行く末を見たいのもたしか……。心がごちゃごちゃだぜ！！ (2019年6月18日 23時) (レス) id: 94dd1e54ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2019年4月7日 12時
