初恋は実るためにある ２【HUNTER×HUNTER】

88　うちらズッ友 ページ43

あの後、最終兵器ゴンがキルアのクラピカに対する疑いを長い時間をかけて晴らしてくれた。ちなみにわたしの分は晴らしてもらえなかった。なんで？キルアはしばらく考えるそぶりをしていたけど、最終的には「ゴンがそう言うなら」と怒りを引っ込めてくれた。「Aは相変わらず信用ならねーけど」あれれ？



そんなこんな紆余曲折してクラピカとの再会に5人揃うことができた。



　クラピカは話を聞いて「Aが私と浮気？ありえない」って涙が出るまで笑った。そこまで否定されるとちょっと寂しいぞ。


　クラピカの「仲間」という言葉には格別な響きがあった。破壊力というか。こんな機会でもなきゃ絶対に聞けなかっただろうセリフに、どぎまぎする。


　それぞれ役割分担をして蜘蛛を追うこととなった。運転係のレオリオに「免許は持ってないけど運転はできるから、何かあったら代わって」と言っておいた。



「ガキがなんで運転できるんだよ」

「見た目はこども、頭脳は大人の異世界人だから」

「……中二病もほどほどにな」



　どんどん中二病キャラとして認識されていく。参ったな。わたしはゴンと同じ錯乱係に任命された。キルアからの連絡待ちに飽きて、クラピカを連れてホテル内にある自販機まで行く。クラピカは缶コーヒー、わたしは緑茶を選んだ。部屋まで戻る途中で彼がひとりでに笑い出す。どうやら思い出し笑いみたい。キルアにわたしたちの関係が疑われたことが、よっぽど面白かったらしい。



「私がAに恋してるわけないだろう」


もう。何度も言われなくたってわかってるよ。



「そういうことに、しておこう」






クラピカ、それはどういう意味？

たずねる前に部屋に着く。この話の続きがされる日はきっと永遠に来ないのだ。

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