79 フェイに捕まりたい人は挙手 ページ34
「二人ともお変わりないようで……仕事帰りですか?」
「ああ。幻影旅団の団長とちょっとな。あとイルミもヨークシンにいるぞ」
会いにきたからとっくに知っていたけど、ビックリした顔を作る。「会いたいか?」ってゼノさんが聞いてくる。わたしがうなずくと、シルバさんは吹き出した。わたしがイルミさんに会いたいのがよっぽど面白いらしい。
「相も変わらずだな。自分を殺そうとした相手と仲良しこよしなんざ、理解できん。お前は危うい女だ。その態度。その目。ひとをたぶらかす才能がある」
褒められている気はしなかった。シルバさんに顔を鷲掴みにされて、下まぶたをひっぱられる。
「しっとり濡れたような目だ。かつて桃花眼は淫欲で災いをおこすとして忌まれたものだがな……お前は男ウケのする目をしている」
「イルミ相手には効かんがの」って横からゼノさんが付け足した。シルバさんはわたしの顔を解放すると、ゆらゆら手を振って蛍光色の闇の中へ消えた。
*
で、それから間もなく旅団に捕まった。キルアの超カッコいい対フィンクス戦をどうしても拝みたかったけど、やっぱり捕まるのは嫌なので全力で逃げた。人数的にわたしまで追う余裕はないだろう。そう思っていた時期がわたしにはありました。
「どこ行くね」
拷問が容赦なさそうなので捕まりたくない旅団メンバーランキング(わたし調べ)で上位に食い込みそうなフェイタンが待ち構えていた。わたしはアッサリ降伏した。プライド?そんなものトリップと同時に取り上げられました。
蜘蛛の面々は以前のキルアを彷彿させるような空気をまとっていた。ひとを殺すという行為に何の感慨もいだかない、心に隙間を持たない、流星街で育った蜘蛛たち。
かつてキルアはそちら側にいた。だけど今のキルアなんて彼らを前にしたら、爪を切られ去勢された猫のようなものだった。そうしたのは他でもないわたしたちだった。
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有希(プロフ) - mayaさん» いやほんとそれな…!!イル兄は他のどんな作品にもいない魅力的なキャラをしてるから一生バッキュンされてるわ…これからも出来る限り出演していってもらいたいね…! (2021年7月10日 5時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - 表現というか、もはや思ったこと馬鹿正直にぶちまけちゃってるね!強引、配慮がない、しつこいの全てがつまってるイルミに一生バッキュンされてる…… (2021年7月4日 14時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - mayaさん» あのシーン個人的にめちゃくちゃ好きなのでmayaちゃんにギュンしてもらえて嬉しい笑笑 イル兄に甘くて優しいセリフとか言わせたくなくて、それイル兄じゃないし、ああいうぶっとんだ表現をしてくるのがイル兄だろ(偏見)!っていう私の性癖が爆発してたね! (2021年7月4日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - ん’’ん’’!!イルミさんにギュンです…あんなことを言わせるなんて……有希ちゃん強者…!! (2021年7月3日 16時) (レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 名前さんさん» いつもコメントしてくださいよォォォッ!!(血涙)嘘です。今回もらえただけでとても嬉しいですありがとうございます!そんな風に本作のことを言ってもらえると励みになります。どうぞ完結まで末永くよろしくお願いします! (2021年6月12日 8時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有希 | 作成日時:2021年4月9日 18時