97 恋だとか愛だとか ページ4
「あいつらに女の身体で付いていけるなんて凄いわね！」と褒められた。あのビスケも言うんだから、やっぱり男女の力量差は埋めようがないのか。２人の肢体が男らしくなるにつれて、わたしが女らしくなるにつれて、その差は歴然としてゆくんだろう。わかっちゃいたけど、ちょっと凹んだ。
「見て、A」
レースの手袋が指さした先には、光で線をひいたみたいな地平線。陽光が大地に手をのばす。文明とは無縁のまっさらな世界は何者にもさえぎられることなく照らし出される。鳥たちも目を覚ます。地球は回っているんだ、と当たり前のことを思う。どんな言葉も陳腐な気がした。言葉なんていらない。はじめて正しく朝を迎えた気がした。
「で、どっちなのよ」
「……何が？」
急に視界のチャンネルが朝焼けから、ビスケのドアップに切りかわる。びっくりして指を切りそうになった。本人たちに聞こえる距離じゃないのに、小声でたずねてくる。恋バナではしゃぐ姿はわたしと年が変わらないように見える。いつまでも少女。いつまでも無垢。いつまでも恋だの愛だの語る。わたしもそうありたい。
「ウフフ。隠すんじゃないわよ。このこの。少年少女がいっしょにいるんだから、浮いた話のひとつやふたつ、あるんでしょ？どっちが好きなのかしら？」
「恋愛脳だなぁ」
なんとなく質問攻めをかわしているとヘトヘトになったキルアが戻ってきた。「こっちだよ」ってようやく答えを教えてやる。ビスケはもともと丸い目をことさら丸くしている。
「は？なんの話？」
キルアは会話に割りこみながら、わたしとビスケの間にどっかり腰をおろす。シャツの胸元を引っ張って汗をふくから腹筋がのぞく。うわぉ。この身体がわたしのものだと思うだけで、女の子として格が高い気がしちゃうね。
「わたしがゴンとキルアのどっちと付き合ってるのかって話」
「そりゃあオレだろ」
「そうだね、キルアだね」
「………ハァ！！？？何でこっちなんだわさ！？さては男の見る目ないわねアンタ！！」
「クソババア、それオレのこと？」
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ちーちゃん - わざわざお返事ありがとうございます！完結まで楽しみにしています！ (2021年11月14日 17時) (
レス) @page49 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ちーちゃんさん» ちーちゃん、コメントありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！次章もよろしくお願いします！ (2021年11月14日 16時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - 更新嬉しいです！また頑張ってください！ (2021年11月10日 15時) (レス) @page9 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - yuriori12911さん» コメントありがとうございます。いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。ご連絡ありがとうございました。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。早とちりして申し訳ありませんでした。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年7月16日 18時
