122 ぐっばいGI ページ29
「根を詰めすぎると良くないわよ、A」
振り返ると、ビスケが腕を組んだ状態で壁にもたれていた。ネグリジェ姿もかわいいね。どうにも眠れなくって外で発の練習をしていたところ、師匠に見つかっちゃったみたいだ。
「またその顔。何か焦ってるような、思いつめてるような、危なっかしい顔。一体どうしたの？」
「どうって……」
「心配してるのよ。これでも。あたしなりに。今そんなに急いで強くなる必要はないわ。むしろ身体が追っつかなくて危険よ。後にだって……」
「……後からじゃ、遅い」
「……え？」
「次に役に立てなかったら、ぜんぶ、意味ない。だって、次が最後だから」
ビスケは「どういうこと？」って重ねて聞いてきたけど、適当にごまかして部屋に戻った。目を覚ますと、隣のベッドで寝ていたキルアが「何かうなされてたぞ」って教えてくれた。
「……こわいの、行きたくない、変わりたくない、傷つきたくない、別れたくない、でも、だめなの、行かなきゃだめなの……ゴンのために……物語のために……とか何とか。怖かったぞ。どんな夢を見たんだ？」
「……べつに、中二病をこじらせているだけだよ」
「なるほど」とキルアはあっさり納得した。それもどうなの。しかし、そうか。わたしはそんなことを本当は思っているのか。昔から自分の気持ちを理解するのが苦手なわたしは、ようやく気がついた。
念願のブルー・プラネットを手に入れてご機嫌だったビスケは、やっぱり心配そうな顔をしてわたしを見つめた。そんな師匠を安心させようとぎゅっと抱きしめると「苦しいわよ」って怒った。ほんとは嬉しいくせに。ツンデレご馳走さま。さよならは言わないよ。
「アカンパニー・オン！ニッグ！」
NIGG。その正体が誰なのか、わたしは知っている。身体にぐっと気圧がかかったかと思うと、ジェットコースターに乗せられたみたいな衝撃が続いてくる。苦手だったアカンパニーの感覚もこれで最後か。寂しくなる。いや、寂しくなってる場合なんかじゃないね。
さよなら、グリード・アイランド。
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ちーちゃん - わざわざお返事ありがとうございます！完結まで楽しみにしています！ (2021年11月14日 17時) (
レス) @page49 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ちーちゃんさん» ちーちゃん、コメントありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！次章もよろしくお願いします！ (2021年11月14日 16時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - 更新嬉しいです！また頑張ってください！ (2021年11月10日 15時) (レス) @page9 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - yuriori12911さん» コメントありがとうございます。いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。ご連絡ありがとうございました。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。早とちりして申し訳ありませんでした。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年7月16日 18時
