107 ゾルディックを背負う覚悟 ページ14
キルアは何も答えなかった。ただ無言でピーナッツに手をさしだした。茶番はいいから首輪と足輪のカギを渡せということか。ピーナッツは叫び声をあげながらジャケットの内側から銃を取り出すと、キルアのおでこにその口を突きつけた。ガチャガチャと銃が震えで鳴っている。キルアはこんな状況に置かれていながら、冷めた目でピーナッツを見つめていた。
「う……ううううう！！！！」
迷って迷って、ずっと迷って、それでも、
「うう……ううう！！！うううう！！！」
ピーナッツはキルアを撃てずにいた。
「お前、ひとを殺したことないだろ」
次の瞬間、ピーナッツは地面のうえに寝かされていた。キルアが体重をかけて寝技を決める。目で終えない速さ、それこそ神速で。ピーナッツが声にならない悲鳴をあげている。
「殺される覚悟もなしに他人を殺せると思うなよ」
散々ひとを殺めてきたキルアの言葉はあまりに重かった。彼はいつも殺される覚悟で他人を手にかけていた。そんな日常は想像を絶する。ばきん。骨が折れる重い音。ピーナッツの「あああ！！あああああ！！！」という絶叫が耳をつんざく。意地でも鍵を渡そうとしない彼に呆れたキルアは、無理やりポケットから取り出した。
「ふふふ。すごいねキルア。仮面ライダーみたい」
「何それ？」
キルアがわたしの足枷と、女の子のチョーカーをいとも簡単に外してくれる。その腕に抱きしめられたときに突然恐怖が後になって押し寄せてきた。止めようと思っても、涙は言うことを聞いてくれない。もう二度とオレの前で強がるなよ、と言われる。約束するから、もう離れないで。ピーナッツはそんなわたしたちを見て低く笑った。そうすることでギリギリ精神を保っているようにも見えた。
「忘れるな。キルア=ゾルディック。お前なんて、ヒトの皮を被ったバケモノが人間のマネしてるだけだ。バケモノと人間が恋愛ごっこ？そんなこと、許されると思うなよ」
アモソフの名前を持つあの子は
「私のお父さんとお母さんみたいにならないといいね」と笑って、わたしたちを見送った。
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ちーちゃん - わざわざお返事ありがとうございます！完結まで楽しみにしています！ (2021年11月14日 17時) (
レス) @page49 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ちーちゃんさん» ちーちゃん、コメントありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！次章もよろしくお願いします！ (2021年11月14日 16時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - 更新嬉しいです！また頑張ってください！ (2021年11月10日 15時) (レス) @page9 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - yuriori12911さん» コメントありがとうございます。いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。ご連絡ありがとうございました。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。早とちりして申し訳ありませんでした。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年7月16日 18時
