105 暗殺者のハーフ ページ12
わたしが逃げた瞬間に首がふっとぶ設定のチョーカーを付けられたその子は、ピーナッツがトイレに行っている間に「嘘つきだね」って話しかけてきた。誰かの声に似てるなぁと思ったら吹奏楽部の友達だった。
「嘘つき？」
「さっき、交信で言ってたじゃん。自力で逃げられるから心配するなって。そんなわけないのに。ほんとは助けてもらいたくて仕方ないんでしょ？さっきっから身体を引っ掻いているよ、気づいてない？Aちゃんはね、こんなところにいるのに耐えられないタイプなんだよ。ストレスに弱いから。綺麗事を言うくせに王子様に助けてもらうのを待っている。違う？」
その子の分析はわたしのことを顕微鏡で観察したように当たっていた。だけどそれを認めるのは負けた気がする。
「……逃げられないかどうかは、まだわからないもん」
「ないね。私を殺して逃げる以外は」
「あっさり言わないでよ、こわいなぁ。どうしてそんなに落ち着いていられるの？どんな生き方してきたの？あなたは誰なの？」
「……愛の失敗作、ってところかな」
その子は最後の質問だけに答えた。失敗作？よくわからない中二病発言に首をかしげていると、「アモソフ家って知らない？」って尋ねてくる。知らない。笑われた。
「知名度こそ負けるけど、ゾルディック家と同じ商売をしているところだよ。私の名字はそれ。いかついよね」
「じゃあ……暗殺の経験が……」
「ないよ。お父さんってば若いころに家業を捨てて、お母さんと駆け落ちしちゃったから。私はおじいちゃんにも、おばあちゃんにも、会ったことすらない……今どこで何してるんだろうねぇ。あのひと」
「お父さんと一緒に住んでないの？」
「だったら私は人生を投げ捨ててないし、グリードアイランドで人質なんてやってないよ」
「それなら、ほら、お母さんは？」
「数年前にお父さんに殺されちゃった」
そのとき、ようやく女の子が顔を上げた。ああ。こんな顔をしてたのか。髪は真っ黒で、目はキルアのものと似た色彩。
まるでキルアとわたしの間に生まれた、まだ見ぬ子どもを見ているみたい。
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ちーちゃん - わざわざお返事ありがとうございます！完結まで楽しみにしています！ (2021年11月14日 17時) (
レス) @page49 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ちーちゃんさん» ちーちゃん、コメントありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！次章もよろしくお願いします！ (2021年11月14日 16時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - 更新嬉しいです！また頑張ってください！ (2021年11月10日 15時) (レス) @page9 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - yuriori12911さん» コメントありがとうございます。いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。ご連絡ありがとうございました。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。早とちりして申し訳ありませんでした。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年7月16日 18時
