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カタチ〔6〕 ページ6

「ねぇ、話して・・?」




話して、と言われても話そうとするたびに山田の言葉が浮かんでくる。



『もしバレたらどうなるのかな。俺、皆から嫌われちゃうかもね。』



胸がズキッと鳴った。


ほんとに話していいのかな、


山田がおれにこんなことしてるって知ったら大ちゃんは山田を嫌う、?そんなの絶対に嫌だ・・




「ねぇ、聞いてる、?それともまた具合悪くなってきた・・?」


「んーん、そうじゃない、」


「大丈夫だよ、今山田はいないから。」


「え、?」


「だから安心して話して。」


「なんで山田が、」


「昨日の痣とか、今日の傷とか・・全部山田がやってるんじゃないの?違う?」


「なんで、」


「いのちゃんが自分でやってるとは思えないし、こういうのって恋人から被害受けてるケース多いじゃん。」


「被害、じゃないよ別に、」


「どういうこと、?」


「ていうかなんで山田がやってるって分かるの、?」


「んー、当てずっぽうだったけど・・その反応だとやっぱりそういうことなんだ。」


「・・っ、でも、ほんとに、これは山田が悪いんじゃないの・・全部おれが悪くて、」


「でもね、俺からしたら100%山田が悪いように見える、だから話してほしいの、いのちゃん。」




大ちゃんの真剣な眼差し。


その目を見つめていたら、おれは無意識に口を開いていた。









.









.









.









「じゃあ、いのちゃんが浮気したのが原因で今こうなってるってこと・・?」


「うん、おれが全部悪いの、」


「浮気は悪いことだけど、だからっていのちゃんを傷つけていい理由にはならなくない?いのちゃんが言えないなら俺から山田に・・」


「違う、!!大ちゃんは勘違いしてる・・別におれは山田に何されようがかまわない、イヤじゃない、」


「でもこんな痣・・」


「それが山田のおれへの愛なんだったら、それで十分なの、幸せなの。だから、もうほっといて、」




呆然と立ちすくむ大ちゃんを置いて、おれは1人走った。



せっかく心配してくれてたのに、おれはなんであんな言い方をしてしまったんだろう。


ちゃんと口止めもしてないし、もし大ちゃんが他のメンバーに言ったらどうしよう・・


今更打ち明けたことを後悔した。



家には山田が待ってる・・急いで帰らなきゃ。

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作者名:ろんろん | 作成日時:2019年2月14日 2時

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