第12話 ページ15
コンコン
二度とを叩くと中からどうぞと声がする
「失礼します」
なので戸を引いて中に入る
まず目に映るのはベットの前に座り込む月島の事だ
「大丈夫？」
俺はとりあえずこの離れた場所から様子を見る
すると、横に一緒に座ってた夜久さんと目があった
「はは、ほら、月島、研磨も来たから、な？
この子達ももういいって言ってんだからさ」
夜久さんは苦笑い混じりにゆっくり月島を立たせた
そして１人足りないことに気づく
「福永はどこに？」
「あぁ、先部活戻るって行っちゃったよ」
それを聞いて福永らしいなと思いながら、次の質問をする
「月島、どっか悪いとかあったんですか？」
そう聞きつつもベットに近づくと、先ほどとは打って変わって笑顔の女生徒の姿があった
「ごめん、大丈夫？」
なんとなく俺がそう聞くと、女生徒達も本当にちょっとびっくりしただけだから、なんて言ってまた笑った
「ありがとう」
そう言ってベット周りのカーテンを閉めると、それを待っていたように夜久さんが話し始める
「特には
ただ、その子達を傷つけてしまったことに酷く…なんだ？怯えてる？みたいだ」
？
「怯えてる？」
今の子達が怯えてるならわかるけど、なんで月島が？
とにかく本人から聞かなければわからない
俺は今度は月島が座らされたソファーの隣に行く
「月島？どうしたの？」
立ったまま聞いたところで、俯いている月島の表情は見えない
ただ、手に力が入ってしまっているのは分かった
「ずっと、この調子だよ」
夜久さんが少し困ったように笑った時、
「私の弟に似てるの、君が」
彼女のとある言葉を思い出した
そういえば、彼は意外と兄弟思いだった気がする
この子に泣いて謝るときも、ぎゅーと抱きしめてて、きっとそれで不安がなくなったんだろうな
俺はいつもの癖で、何も考えずに考えながら月島の前に膝をつく
少し頭が俺の方が低くなってやっと目があった
だから俺は少し笑って
「A、大丈夫だよ」
手を伸ばして、月島を抱きしめた
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作者名：猫乃 | 作成日時：2017年10月22日 2時
