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「おはよう」
 私は洗面台に有る鏡に向けてそう言うと、髪の乱れ、服の乱れを直し、家を出た。
 家の外は今にも雨が振りそうな曇り空で、私は辺りの薄暗さが憂鬱だった。
 やがて、歩いていく内に私はバス停に着く。バス停は通勤、通学の人で溢れており、私は「今日も満員か」と心の中で呟いた。
 そしてバスがやって来ると、皆ゾロゾロとバスに乗り込む。私もバスに乗ろうとしたとき、有ることに気がついた。
「…………定期がない」
 私は狼狽した。このままだとバスに乗れない。学校は少し遠い所にあるから、バスに乗れなかったら遅刻確定だ。
 私が大慌てで鞄の中を探っていると、後ろから声がした。
「あの、定期、落としましたよ」
 私が後ろを振り向くと、一人の男性が私の定期をこちらに差し出し、立っていた。
「あっ……あ、ありがとうございます!」
 私がお礼をいうと、彼は「いえ、当たり前のことですよ」といって、バスに乗らずに何処かへと向かってしまった。
 こんな小さなトラブルが起きている間に、バスが私を置いて行ってしまったのは、言うまでもないだろう。

「結局遅刻かよッ!」
 通学路を全力疾走しながら私は愚痴をこぼした。
 段々と見えてくる学校の前には、校門を閉めようとする用務員さんが見えた。
「ちょ、ちょっと待ってー!!!」
 私が大きな声でそう叫ぶと、用務員さんは一瞬手を止め、私の方を見る。
 ――よし、間に合った!
 そう私は確信すると、一気に校門に滑り込んだ。用務員さんの驚いた顔が視える。
 私は用務員さんに挨拶をすると、教室へ走り出した。


「相沢、相川、、飯田、一ノ瀬、内山、江ノ島」
 教室へ着くと、もう健康観察が始まっていた。私は息を吸い、匍匐前進で教室へ忍び込む。一部の生徒は私をみて驚いていた。
「あとは……入るなら普通にこい、二科」
 先生のその一言で、教室内にどっと笑いが巻き起こる。私も笑う。

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設定タグ:嘘の戦争 , 二科晃 , 雪椿   
作品ジャンル:タレント
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雪椿(プロフ) - もんぶらん翔。さん» ありがとうございます! 更新頑張ります (2017年3月19日 20時) (レス) id: fae6e0767b (このIDを非表示/違反報告)
もんぶらん翔。 - 嘘の戦争大好きなので嬉しいです!更新頑張って下さい! (2017年3月19日 1時) (レス) id: 015d801c6f (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます! 更新頑張ります (2017年3月10日 21時) (レス) id: fae6e0767b (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが気になります^_^ (2017年3月5日 21時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪椿 | 作成日時:2017年2月26日 21時

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