検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:6,338 hit

ページ16


 帰り道。晃兄さんは、ずっと、俯いていた。
 そして、ずっと、小さな声で、「俺のせいだ」と呟いていた。
 私がどんなに励ましても、晃兄さんは顔を上げず、下を見ていたまま、日が流れる。
 
 そして、父さんの退院の日となった。
 隆兄さんは、病室で父さんに、晃兄さん、私、楓姉さんが、すべて知ってしまったということを告白した。父さんも隆兄さんもやりきれない顔をして、こっちをミツメていた。
「お父さんのせいだよね。憎まれて当たり前だよ」
 楓姉さんは小さな声で父さんに向けてそういった。違うよ。違う。悪いのは父さんじゃない。
 私は、この状態に耐えられそうになかった。
 泣いちゃダメだ。そう私が泣きそうなのを堪えていると、晃兄さんが、「俺のせいだ」と言いながら、土下座をしている。
「ごめん、ごめんな、久、楓」
 晃兄さんはそう泣き喚きながら謝った。
 私は泣きそうだった。どうして。どうしてこうなってしまったんだろう。
 「私は許せない」
 楓姉さんはそう言って病室を出ていってしまった。
 泣く晃兄さん、ぐっと下唇を噛んだ隆兄さん。私は楓姉さんを追いかけようと病室を出て、其処に居た人を見て私は驚愕する。

 其処には、一ノ瀬が居た。
「お前、どの面下げてここに……!!」
 私が殴りかかろうとすると、一ノ瀬は笑いながら言った。
「甘いんだよ。俺が味わった地獄はこんなもんじゃない」
 彼奴、絶対殺す。私はそう決意した。

6→←々



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.2/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:嘘の戦争 , 二科晃 , 雪椿   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪椿(プロフ) - もんぶらん翔。さん» ありがとうございます! 更新頑張ります (2017年3月19日 20時) (レス) id: fae6e0767b (このIDを非表示/違反報告)
もんぶらん翔。 - 嘘の戦争大好きなので嬉しいです!更新頑張って下さい! (2017年3月19日 1時) (レス) id: 015d801c6f (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます! 更新頑張ります (2017年3月10日 21時) (レス) id: fae6e0767b (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが気になります^_^ (2017年3月5日 21時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪椿 | 作成日時:2017年2月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。